トランプ政権、米サウジ民生用原子力協定を承認 WSJより

 米WSJ紙によると、トランプ米大統領はサウジアラビアと30年間に及ぶ数百億ドル規模の民生用原子力協定を正式承認した。米国企業がサウジの原子力インフラ開発を主導し、2年間の共同調査を経て妥当と判断されれば、サウジ国内でのウラン濃縮施設の建設にも道が開かれる。サウジ側は未検証のウラン鉱床を活用して自国の電力需要を賄い、石油の輸出枠を広げて国家収入を拡大させる狙いがある。

 注目すべきは、ウェスティングハウスなど米国企業に巨額の利益をもたらすと同時に、中露の参入を完全に排除する戦略的ねらいだ。機密技術の漏洩を防ぐため濃縮施設は「ブラックボックス」構造で米国が管理する。バイデン前政権が求めたイスラエルとの国交正常化を前提条件とせず切り離した点や、サウジが自国での濃縮放棄を誓約する「ゴールドスタンダード」を拒否したまま妥結した点も大きな特徴だろう。

 今後注意すべきは、中東における核拡散リスクの増大か。サウジがIAEAの「追加プロトコル」導入を拒否したため査察の実効性に懸念が残るほか、エジプトなど近隣国へ核開発が波及する恐れがある。また、イランに核放棄を求める米国の姿勢との二重基準批判や、中東での核技術拡散を警戒する米議会からの強い反発の行方も注視が必要となる。


(小針)
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