NY為替見通し=ドル円、イラン戦争激化と原油価格上昇で続伸か、米製造業PMIにも注目

 本日のNY為替市場のドル円は、中東有事によるドル買いや原油価格上昇による円売りが続くことが予想される中、引き続き本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性には警戒していくことになる。

 トランプ米大統領は、イランに対する大規模な戦闘作戦の再開を真剣に検討していると明らかにしており、イラン側も対話に応じる気配がないことで、戦火の拡大懸念、原油価格の高騰への警戒感が高まっている。

 22時45分に発表される7月米製造業PMI速報値は54.4と予想されており、6月の53.9からの改善が見込まれている。
 予想通りであれば、ドル高基調が続くことが予想されるものの、併せて、物価指数や雇用指数の内容も見極めておきたい。

 ドル円は、中東有事のドル買いや原油価格上昇を受けた円売りで、「三角保ち合い」を上抜けて、1986年12月以来の164円台に迫っている。ドル円のテクニカル分析では、「三角保ち合い」を上抜けたことで、目標値164.85円処(底辺幅2.35円+162.50円)が点灯している。

 本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入への警戒感は高まっているものの、片山財務相からは、3日連続して「断固たる措置を果断にやる」といった円安牽制発言に留まっている。
 市場では、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策決定会合、さらには8月に予定されている消費税減税の方針決定を受けて財政不安から円安が一段と進んだ局面で、当局が介入に踏み切るのではないかとの憶測も広がっている。ただ、引き続き予断を許さない状況が続くことになる。

 また、米財務省からも、1月23日の日米協調レートチェックによるドル高・円安阻止に向けた姿勢が見受けられないことで、インフレ抑制のためのドル高黙認の可能性が感じられる。

 昨日財務省が公表した半期に一度の「為替政策報告書」では、日本はこれまで同様に監視リスト10カ国に分類された。
 そして、「日米金利差の縮小にも関わらず円安が継続している。金融市場のボラティリティーや原油価格などの世界的な要因も円に影響を与えている可能性が高いが、円の過度な変動は望ましくない」と言及され、昨年9月の「日米財務相共同声明」にも言及されていた。

 「米財務省はマクロ経済・為替問題について日本の財務省と緊密な協議を継続する」と言及されており、ベッセント米財務長官も「トランプ大統領の『アメリカ第一』の貿易政策を支持し、不公正な為替慣行を積極的かつ厳格に監視し、必要な対応を取っていく」と述べており、今後はドル高・円安への言及に警戒していくことになる。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、164.55円(1986/11/24高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、162.81円(日足一目均衡表・転換線)


(山下)
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