ロンドン為替見通し=仏財政不安がユーロの重しに、ポンドも英財政を意識

 28日のロンドン為替市場では、材料難のなかでフランスの財政・政治リスクを巡る警戒が、ユーロ相場の重しとなるかが焦点となりそうだ。同国からは序盤に8月消費者物価指数(CPI)速報値と4-6月期GDP改定値が発表される。もっとも本日は、欧州午後にジャクソンホール会議で行われるウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長の講演がメインイベントだろう。

 フランスを巡っては昨日、主要株価指数CAC40が約1.7%安と大きく売られた。2027年予算を巡る政治的対立が深まるなか、少数与党政権が歳出削減策への議会の支持を得られるかが問われている。

 仏独の10年債利回り差も拡大し、一部メディアは、財政悪化が続くフランスがイタリアに代わり欧州債券投資家にとって最大の懸念材料になったと報じている。2026年の政府債務のGDP比はフランスが約117%、イタリアが約139%だが、前者は拡大、後者は縮小基調にあり、仏10年債利回りが伊10年債を上回るねじれも生じている。28日に予定されるフィッチ・レーティングスによるフランスの格付け見直しでは、格下げの有無だけでなく財政運営に関するコメントが意識されやすい。

 中東情勢を受けては27日に原油相場が反発した。米・イラン協議の進展期待がやや後退したためで、原油高が続けば欧州のインフレ懸念を通じてユーロ相場に波及しうる。もっとも欧州中央銀行(ECB)の9月追加利上げはすでに織り込まれており、目先のインパクトは限定的とみられる。

 ポンドは、10月の秋季予算を控えた財政運営への警戒が根強い。英10年債利回りは5月に一時5.19%手前まで上昇した後、現在は5%前後で推移しているが、財政悪化懸念が再燃すれば重しとなりやすい。27日に再開した英議会では、バーナム政権の支出計画と財政ルールとの整合性が課題となっており、増税か国債発行拡大かを巡る思惑がくすぶる。

 ただやはり、本日最大の材料はジャクソンホール会議でのウォーシュFRB議長講演であり、一巡後はこの講演を前に様子見が優勢になりそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドル、20・21日高値1.1711ドル
・ポンドドル、21日高値1.3676ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、19日安値1.1570ドル
・ポンドドル、日足一目均衡表・基準線1.3475ドル

(小針)
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