週間為替展望(ポンド/加ドル)-英MPC待ちも雇用・インフレ指標に注目
◆ポンド、英MPC待ちも事前の雇用データやインフレ指標に注目
◆加ドル、まずは8月CPIに反応しやすい
◆加ドル、対米関係が不安定要因
予想レンジ
ポンド円 206.00-211.00円
加ドル円 109.50-113.50円
9月14日週の展望
来週のポンドは、17日のイングランド銀行(BOE)金融政策委員会(MPC)を軸に、その前に発表される15日の英雇用データ(週平均賃金)、16日の8月消費者物価指数(CPI)を見極めながらの展開となりそうだ。賃金・物価とも上振れが続けば、前回会合で9人中3名まで増えたタカ派委員の主張に勢いがつく。一方、下振れが目立てばベイリーBOE総裁ら慎重派の見立てを裏付ける形となるだろう。市場は現在、年内1回・2027年2回の利上げを織り込んでいる。これについてベイリー総裁は、「エネルギー価格上昇へのリスクプレミアムだ」と述べ、利上げが既定路線との見方をけん制した。ラムズデンBOE副総裁も国内インフレ圧力は「比較的落ち着いている」と言及。一方でグリーンMPC委員は、「原油高が長引けば市場や企業のインフレ予想が高止まりしかねない」と警戒感を示しており、委員間の温度差は残る。今回は据え置きが既定路線だが、前回拡大した反対票の勢いを保てるかが焦点の1つになりそうだ。
なお、ヒーリー財務相は7日、就任後初の重要演説で「成長」と「財政規律」の両立を掲げた。10月28日の予算案では財政ルールを順守する方針を強調。一方で増税は明言を避け、具体策は予算案まで持ち越された。市場に一定の安心感を与えたものの、ポンドの反応は限定的だった。
加ドルはまず、14日発表の8月CPIに反応しやすいだろう。BOCは今月2日の会合で政策金利を2.25%で据え置いたが、声明ではインフレ上振れリスクの高まりを指摘。マックレムBOC総裁も「インフレが高止まりすれば複数回の利上げが必要」と言及しており、7月CPI(前年比3%)や、底堅い4-6月期GDPもこのタカ派傾斜を裏付けている。もっとも、4日発表の8月雇用統計は雇用者数・平均時給とも大幅に鈍化した。インフレの上振れ基調と労働市場の急速な軟化が交錯するなか、8月CPI次第で年末以降の利上げ観測の行方を左右しそうだ。
一方、対米関係は緊張度を増し、加ドルの不安定要因となっている。カナダ政府は8日、米国が先月22日に発動した対カナダ関税への報復関税(15-50%、鉄鋼・アルミ・乳製品など対象)を発動。トランプ米大統領は同日、連邦政府調達からのカナダ製品締め出しに加え、カナダ産酒類・乳製品・オートバイの対米輸入禁止(今月29日発効)を発表した。カナダ側は「交渉の余地を探る」としつつ対抗措置を予定通り実施し、報復の応酬は長期化の様相だ。関税を巡る不確実性は、BOCの利上げ判断そのものより実体経済への打撃を通じて加ドルの重しとなりやすく、応酬の長期化とともにその圧力は強まりそうだ。
9月7日週の回顧
ポンド、加ドルともに対円では売りが先行。日銀の利上げ加速への思惑や日米当局による円安是正への警戒感などが材料視された。それぞれ211円前半から207.10円、113円手前から110円後半まで急落した。対ドルでは、米金利先高観の強まりで週後半に弱含んだ。ポンドドルは1.35ドル割れ、ドル/加ドルが1.38加ドル半ばまで加ドル安に振れた。(了)
(執筆:9月11日、9:00)
◆加ドル、まずは8月CPIに反応しやすい
◆加ドル、対米関係が不安定要因
予想レンジ
ポンド円 206.00-211.00円
加ドル円 109.50-113.50円
9月14日週の展望
来週のポンドは、17日のイングランド銀行(BOE)金融政策委員会(MPC)を軸に、その前に発表される15日の英雇用データ(週平均賃金)、16日の8月消費者物価指数(CPI)を見極めながらの展開となりそうだ。賃金・物価とも上振れが続けば、前回会合で9人中3名まで増えたタカ派委員の主張に勢いがつく。一方、下振れが目立てばベイリーBOE総裁ら慎重派の見立てを裏付ける形となるだろう。市場は現在、年内1回・2027年2回の利上げを織り込んでいる。これについてベイリー総裁は、「エネルギー価格上昇へのリスクプレミアムだ」と述べ、利上げが既定路線との見方をけん制した。ラムズデンBOE副総裁も国内インフレ圧力は「比較的落ち着いている」と言及。一方でグリーンMPC委員は、「原油高が長引けば市場や企業のインフレ予想が高止まりしかねない」と警戒感を示しており、委員間の温度差は残る。今回は据え置きが既定路線だが、前回拡大した反対票の勢いを保てるかが焦点の1つになりそうだ。
なお、ヒーリー財務相は7日、就任後初の重要演説で「成長」と「財政規律」の両立を掲げた。10月28日の予算案では財政ルールを順守する方針を強調。一方で増税は明言を避け、具体策は予算案まで持ち越された。市場に一定の安心感を与えたものの、ポンドの反応は限定的だった。
加ドルはまず、14日発表の8月CPIに反応しやすいだろう。BOCは今月2日の会合で政策金利を2.25%で据え置いたが、声明ではインフレ上振れリスクの高まりを指摘。マックレムBOC総裁も「インフレが高止まりすれば複数回の利上げが必要」と言及しており、7月CPI(前年比3%)や、底堅い4-6月期GDPもこのタカ派傾斜を裏付けている。もっとも、4日発表の8月雇用統計は雇用者数・平均時給とも大幅に鈍化した。インフレの上振れ基調と労働市場の急速な軟化が交錯するなか、8月CPI次第で年末以降の利上げ観測の行方を左右しそうだ。
一方、対米関係は緊張度を増し、加ドルの不安定要因となっている。カナダ政府は8日、米国が先月22日に発動した対カナダ関税への報復関税(15-50%、鉄鋼・アルミ・乳製品など対象)を発動。トランプ米大統領は同日、連邦政府調達からのカナダ製品締め出しに加え、カナダ産酒類・乳製品・オートバイの対米輸入禁止(今月29日発効)を発表した。カナダ側は「交渉の余地を探る」としつつ対抗措置を予定通り実施し、報復の応酬は長期化の様相だ。関税を巡る不確実性は、BOCの利上げ判断そのものより実体経済への打撃を通じて加ドルの重しとなりやすく、応酬の長期化とともにその圧力は強まりそうだ。
9月7日週の回顧
ポンド、加ドルともに対円では売りが先行。日銀の利上げ加速への思惑や日米当局による円安是正への警戒感などが材料視された。それぞれ211円前半から207.10円、113円手前から110円後半まで急落した。対ドルでは、米金利先高観の強まりで週後半に弱含んだ。ポンドドルは1.35ドル割れ、ドル/加ドルが1.38加ドル半ばまで加ドル安に振れた。(了)
(執筆:9月11日、9:00)
