週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、BOCの早期利上げ観測強まる
◆ポンド、引き締めシグナルと国債政策が綱引き
◆加ドル、BOCの早期利上げ観測強まる
◆日米金融イベントの影響を見極め
予想レンジ
ポンド円 206.00-210.50円
加ドル円 109.50-113.50円
9月21日週の展望
来週のポンドは、米連邦公開市場委員会(FOMC)や英中銀金融政策委員会(MPC)、そして日銀会合など今週の金融イベントの余韻を引き継ぎながらの値動きとなりそうだ。国内では9月製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値を除き、目立った経済指標の発表はない。
16日発表の8月消費者物価指数(CPI)は前年比3.1%へ加速し、市場予想通りではあったが英中銀(BOE)の想定を上回った。その後の英MPCでは、6対3で政策金利3.75%の据え置きを決定。ベイリーBOE総裁は「変動が長引くほどインフレへの影響は大きくなり、利上げの必要性が高まる」と述べ、英中銀は2027年初めにインフレ率が4%を超える可能性を示した。量的引き締め(QT)も転換し、今後6カ月は国債売却を停止、長期債の売却は打ち切る方針だ。決定後も、金利先物市場は11月会合での利上げを引き続き織り込んでいる。ベイリー総裁は「これまでのところエネルギー高が物価や賃金に与えた影響は限定的」としつつ、長引けば利上げが必要になるとの立場は崩していない。もっともQT減速を受け英国債利回りは6-8bp低下、ポンドも対ドルで下落し、引き締めシグナルと緩和的な国債政策が綱引きする格好だ。
加ドルも、対ドルではFOMCの結果をどのように消化していくか、対円では日銀の金融イベントの結果次第で方向性が決まりそうだ。前週発表の8月CPIでは、トリムや中央値が2%付近で落ち着いたものの、総合CPIは前年比3.0%と高水準を維持した。こうした物価動向やカナダ銀行(BOC)会合の議事要旨を受けて、市場ではBOCの早期利上げ観測が強まっている。議事要旨では、「ガソリン高が他の物価へ波及すれば追加の金融引き締めが必要になる」との見方も示された。短期金融市場では10月、12月、来年1月の3会合にかけて、複数回の0.25%利上げを意識し始めており、これが加ドルの下値を支える要素となりそうだ。
一方、通商面では、トランプ米政権からの強い圧力によって米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の交渉が進まず、米加関係は溝が深まるばかりだ。そのため、カナダ政府は対外経済構造の多角化へ舵を切り、今週開催された投資サミットでは海外投資家の誘致を進めたほか、欧州連合(EU)への「準加盟構想」なども浮上してきた。トランプ米大統領がこれに対抗関税を示唆するなど摩擦の長期化はリスクとなるものの、中長期的な布石になり得るとの見方もある。来週の国内材料は7月小売売上高の発表程度にとどまるため、前週に深まった利上げ織り込みや外部環境を見極めながらの展開となりそうだ。
9月14日週の回顧
ポンド、加ドルともに対ドルでは、FOMCがタカ派姿勢を鮮明にしたことを受けて弱含んだ。MPC後の英長期金利低下も重しとなり、ポンドは1.3330ドル台まで下落。加ドルは1.40加ドル付近までドル高が進行した。一方、対円では、ドル円の反発が強かった影響を受けて底堅い展開に。ポンドは一時209円半ば、加ドルは一時111円後半まで上昇した。(了)
(執筆:9月18日、9:00)
(小針)
◆加ドル、BOCの早期利上げ観測強まる
◆日米金融イベントの影響を見極め
予想レンジ
ポンド円 206.00-210.50円
加ドル円 109.50-113.50円
9月21日週の展望
来週のポンドは、米連邦公開市場委員会(FOMC)や英中銀金融政策委員会(MPC)、そして日銀会合など今週の金融イベントの余韻を引き継ぎながらの値動きとなりそうだ。国内では9月製造業・サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値を除き、目立った経済指標の発表はない。
16日発表の8月消費者物価指数(CPI)は前年比3.1%へ加速し、市場予想通りではあったが英中銀(BOE)の想定を上回った。その後の英MPCでは、6対3で政策金利3.75%の据え置きを決定。ベイリーBOE総裁は「変動が長引くほどインフレへの影響は大きくなり、利上げの必要性が高まる」と述べ、英中銀は2027年初めにインフレ率が4%を超える可能性を示した。量的引き締め(QT)も転換し、今後6カ月は国債売却を停止、長期債の売却は打ち切る方針だ。決定後も、金利先物市場は11月会合での利上げを引き続き織り込んでいる。ベイリー総裁は「これまでのところエネルギー高が物価や賃金に与えた影響は限定的」としつつ、長引けば利上げが必要になるとの立場は崩していない。もっともQT減速を受け英国債利回りは6-8bp低下、ポンドも対ドルで下落し、引き締めシグナルと緩和的な国債政策が綱引きする格好だ。
加ドルも、対ドルではFOMCの結果をどのように消化していくか、対円では日銀の金融イベントの結果次第で方向性が決まりそうだ。前週発表の8月CPIでは、トリムや中央値が2%付近で落ち着いたものの、総合CPIは前年比3.0%と高水準を維持した。こうした物価動向やカナダ銀行(BOC)会合の議事要旨を受けて、市場ではBOCの早期利上げ観測が強まっている。議事要旨では、「ガソリン高が他の物価へ波及すれば追加の金融引き締めが必要になる」との見方も示された。短期金融市場では10月、12月、来年1月の3会合にかけて、複数回の0.25%利上げを意識し始めており、これが加ドルの下値を支える要素となりそうだ。
一方、通商面では、トランプ米政権からの強い圧力によって米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の交渉が進まず、米加関係は溝が深まるばかりだ。そのため、カナダ政府は対外経済構造の多角化へ舵を切り、今週開催された投資サミットでは海外投資家の誘致を進めたほか、欧州連合(EU)への「準加盟構想」なども浮上してきた。トランプ米大統領がこれに対抗関税を示唆するなど摩擦の長期化はリスクとなるものの、中長期的な布石になり得るとの見方もある。来週の国内材料は7月小売売上高の発表程度にとどまるため、前週に深まった利上げ織り込みや外部環境を見極めながらの展開となりそうだ。
9月14日週の回顧
ポンド、加ドルともに対ドルでは、FOMCがタカ派姿勢を鮮明にしたことを受けて弱含んだ。MPC後の英長期金利低下も重しとなり、ポンドは1.3330ドル台まで下落。加ドルは1.40加ドル付近までドル高が進行した。一方、対円では、ドル円の反発が強かった影響を受けて底堅い展開に。ポンドは一時209円半ば、加ドルは一時111円後半まで上昇した。(了)
(執筆:9月18日、9:00)
(小針)
