東京為替見通し=ドル円、首相の「高市円安」否定で円安牽制に現実味

 昨日の海外市場でドル円は、米長期金利の指標とされる米10年債利回りが5.14%台まで上昇すると、円売り・ドル買いが進行。2時前には一時158.55円まで上昇し、日通し高値を更新した。一方、ユーロドルは週明けのオセアニア市場で一時1.1183ドルまで下落したものの、欧米市場では下げ渋った。もっとも、戻りは限られ、1.12ドル前半で小動きに終始した。

 昨日は堅調な動きを見せたドル円だが、本日の東京外国為替市場では、上値を大きく伸ばしてレンジを上抜ける展開は極めて起こりにくいとみられ、引き続きレンジ内での取引が中心となりそうだ。

 最大の上値抑制要因は、158円台の上限に近づくにつれて強まる本邦通貨当局による口先介入や実弾介入への警戒感だ。昨日の国会で高市早苗首相は、「強固な日本経済を構築することで円の信認を高めていく」と強調した上で、市場の一部で取り沙汰されている「高市円安」「高市高金利」といった見方を「明確に否定する」と答弁した。

 首相自らが過度な円安や急激な金利上昇を容認する姿勢を打ち消したことで、財務省をはじめとする金融当局にも配慮と緊張感が広がっているとみられる。政府・当局が円安を放置するとの思惑が後退すれば、159円台への接近など節目に差しかかる局面では、財務省による口先介入をはじめ、円安を牽制する姿勢が一段と強まるとの警戒感が高まりやすい。

 一方、日米金利差を背景とした押し目買い意欲は根強く、下値も限定的とみられる。加えて昨日は、前週に下落が目立った半導体関連などAI銘柄の一角に買いが入り、ハイテク株の急落がひとまず回避されたことも安心材料となった。ただ、テクノロジー関連企業の業績発表はまだ本格化しておらず、今後の決算が市場の高い期待を満たせるかが焦点となる。

 なお、本日は本邦に加え、オセアニア・アジア各国でも、市場を動意づけるような経済指標の発表は予定されていない。


(松井)
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