東京為替見通し=ドル円、ウォーシュFRB議長や植田日銀総裁の発言に要注目

 15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、9月米卸売物価指数(PPI)や9月米小売売上高を受けて158.19円付近まで買われるも、米長期金利の低下を受けて157.55円まで下落。ただ、その後は金利の低下幅縮小により158.25円付近まで上昇した。ユーロドルは1.1189ドルから1.1225ドルの狭いレンジ取引に終始した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、米長期債利回りや原油価格の動向を睨みながら、ウォーシュ米連邦準備理事会(FRB)議長や植田日銀総裁の発言に注目していく展開となりそうだ。

 片山財務相は、昨日タイ・バンコクで開催された20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の後、「高い緊張感を持って金融市場の動向を注視する必要がある」と語り、G20では為替に関するコミットメントが再確認されたと述べた。また、「日米の協調介入時に出したメッセージから全くぶれていない。必要だったら躊躇せずに行動する」とも発言しており、ドル高・円安を抑えるスタンスが再確認されたことで、本日も200日移動平均線158.57円付近が重い展開が見込まれる。

 本日12時30分からは、ウォーシュ米FRB議長とゲオルギエバ国際通貨基金(IMF)専務理事との対談が予定されている。先日、ゲオルギエバ氏は米国の財政健全化を巡り「経済成長は助けになるものの直接的な措置が必要になる」と述べていた。トランプ米大統領は経済成長により財政赤字問題を解決すると主張してきたが、財政赤字削減への取り組みを要請した形となった。米FRBの金融政策が話題になる可能性は低いと思われるが、ゲオルギエバ専務理事は先日、途上国や新興国が先進国の利回り上昇の犠牲になりつつあると懸念を表明しており、利上げに前向きなウォーシュFRB議長の見解に注目しておきたい。

 ちなみに、FRBの執行部8名(7名の理事+NY連銀総裁)の内、ウィリアムズNY連銀総裁、ジェファーソンFRB副議長、ウォラーFRB理事、ボウマンFRB副議長の4名が早期の追加利上げに慎重なスタンスを示している。ウィリアムズNY連銀総裁やジェファーソンFRB副議長は、「トロイカ」と呼ばれる非公式のFRB指導部としてウォーシュFRB議長を支える立場にあるため、両氏がそろって同様のメッセージを発したことは、利上げに対する慎重姿勢がFRB高官の個人的な見解ではなく、指導部全体の考えを反映していることを示唆している。

 15時30分からは、全国信用組合大会で植田日銀総裁が挨拶(内田副総裁が代読)する予定となっており、年内の金融政策や中立金利水準(1.10-2.50%)、ターミナルレート(政策金利の最終到達水準)などへの言及があるかが焦点となるだろう。昨日の小枝日銀審議委員の講演では、今後の利上げについて、中立金利の推計レンジを念頭に置きつつ、経済・物価の状況をみながら、政策金利を適時に調整していくべき、と述べていた。


(山下)
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