東京為替見通し=ドル円、日銀会合や植田日銀総裁会見でのタカ派度合いに要注目か

 17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りの低下を受けて155.34円まで下押しした後、前週分の米新規失業保険申請件数や9月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数が予想より強い内容だったことで156.10円付近まで持ち直した。ユーロドルは、米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りで1.1498ドルまで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、日銀金融政策決定会合や植田日銀総裁の会見で、追加利上げ幅やペース、ターミナルレート(政策金利の最終到達水準)などへの言及に注目することになる。

 日銀金融政策決定会合では、政策金利0.25%の引き上げが見込まれている。注目ポイントは、タカ派の高田日銀審議委員による0.50%の利上げや3カ月置きの機動的な利上げの主張に対する賛同委員の数となる。

 日本銀行は、中立金利の推計レンジを1.10%-2.50%と示唆している。市場の見立てでは、本日、政策金利が6月の1.00%への利上げから1.25%まで引き上げられて3カ月間隔となった場合、12月と来年3月も0.25%引き上げられて、ターミナルレート1.75%、中立金利の推計レンジ(1.10%-2.50%)の中間が予想されている。

 さらに、市場におけるターミナルレート予想の「代理指標」の1つである翌日物金利スワップ(OIS)市場における「2年先1年」金利は、2.0%台に乗せており、中立金利の推計レンジの上限2.50%に接近している。

 米連邦公開市場委員会(FOMC)では、FF金利が3.75-4.00%へ0.25%引き上げられ、年内に4.00-4.25%への追加利上げが示唆されたが、2027年は据え置きが示唆された。日銀のターミナルレートが1.75-2.00%と示唆された場合は、ドル円の上値が抑えられることになる。

 本日のリスクシナリオは、植田日銀総裁によるタカ派的な見解とGPIFによる国内投資拡大の発表となる。

 植田日銀総裁の会見では、市場の期待先行の予想に対する見解に注目することになる。ハト派的な見解が示され、ドル円が9月2日の高値160.39円から8日の安値152.89円までの下落幅の半値戻し、すなわち、日足一目均衡表・基準線156.64円を超えて上昇する局面では、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒しておきたい。

 これまで、日銀金融政策決定会合後の日銀総裁のハト派発言でドル高・円安に振れ、本邦通貨当局がドル売り・円買い介入に踏み切ったパターンは3回ほど確認されている。
 まず、今年4月28日の日銀金融政策決定会合で金利据え置きの後、植田日銀総裁がハト派発言をし、ドル円が160円台に乗せたタイミングで円買い介入が行われた。
 2024年4月26日の日銀金融政策決定会合での据え置きの後、植田日銀総裁のハト派発言で、ドル円が158円台まで上昇した局面で、円買い介入が行われた。
 2022年9月22日の日銀金融政策決定会合で金利据え置きが決定され、黒田日銀総裁のハト派発言で、ドル円が145円台まで上昇した局面で、円買い介入が行われた。

 また、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が8月21日に異例ともいえる運用委員会を開催し、基本ポートフォリオの見直しについて検討しており、7月の片山財務相によるGPIFによる国内投資の拡大を求めた直後であるため、円高要因として警戒されている。
 2014年10月31日に、GPIFは、黒田日銀による予想外の追加金融緩和(※黒田バズーカ砲第2弾)と歩調を合わせて、基本ポートフォリオでの外国株式・債券の運用枠拡大を発表したことで、ドル買い・円売りに拍車がかかった。

(山下)
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