東京為替見通し=ドル円、日銀による追加利上げ幅やペースへの警戒感が上値抑制か

 16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通りにFFレートの誘導目標が3.75-4.00%に引き上げられ、年内の追加利上げが示されたことで、154.86円から156.42円まで上昇した。ユーロドルは1.1461ドルまで下落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の年内追加利上げ観測から底堅い展開が予想されるものの、本日からの日銀金融政策決定会合での追加利上げ幅や利上げペースへの警戒感から上値は限定的だと思われる。

 ドル円は、FOMCでフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を0.25%引き上げて3.75-4.00%とすることが決定され、ドット・プロット(金利予測分布図)では、年内に4.00-4.25%へ引き上げられることが示されたことで、156円台まで上昇している。

 しかし、本日からの日銀金融政策決定会合でも、政策金利が0.25%引き上げられ、来春に向けてターミナルレート(政策金利の最終到達水準)1.75%(0.25%x3回)までの追加利上げの可能性が警戒されており、明日の結果発表までは上値が重い展開が見込まれる。

 ドル円の上値の目処としては、9月2日の高値160.39円から8日の安値152.89円までの下落幅の半値戻し、すなわち、日足一目均衡表・基準線156.64円を念頭に置いておきたい。

 FOMCでは、今回の0.25%の利上げに続き、年内の0.25%の追加利上げの合計0.50%の利上げの後、来年は4.00-4.25%での据え置きが見込まれている。一方、日銀金融政策決定会合で来春まで3回の利上げ(0.25%x3回)が示された場合、日米政策金利の縮小観測からドル売り・円高要因となる。さらに、ドル円が160円に向けてドル高・円安が進んだ場合、日米協調による円買い介入の可能性が高まることも、ドル円の上値を抑える要因となる。

 ベッセント米財務長官は先日、「私には、市場にはない非対称な情報(asymmetric information)がある。私が『胴元(house)』だ。私と反対に賭けたいのなら、ご自由にどうぞ」と、円売り筋に対して挑発的な見解を示していた。市場では、日銀のターミナルレート1.75%への連続利上げの可能性や2014年10月31日の年金と日銀のサプライズの再現が警戒されている。

 2014年10月31日、おそらく消費税増税に向けた環境を整備するため、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用の基本ポートフォリオ(資産構成割合)が見直され、日銀が追加金融緩和策を打ち出した。GPIFは、外国債券を11%から15%に、外国株式は12%から25%に引き上げた。さらに、日銀金融政策決定会合では予想外の追加金融緩和(※黒田バズーカ砲第2弾)が決定されたことで、ドル買い・円売りに拍車がかかった。

 6月時点でのGPIFの資産は約320兆円、外国債券(78.8兆円・24.6%)と株式(81.1兆円・25.33%)だが、現在の25%の許容範囲の下限(債券:20%、株式:19%)まで引き下げられた場合、約31兆円の円買い要因となる。もし、2014年当時の10%台まで引き下げられた場合、1%の引き下げは約3.2兆円の円買いとなることを念頭に置いておきたい。GPIFの投資スタンスの変更は、本邦機関投資家も道連れにするため、1998年や2024年のような円・キャリートレードの手仕舞いに繋がる可能性に警戒しておきたい。

 ベッセント米財務長官は「外国為替報告書」や「日米財務相共同声明」でGPIFによる外国証券の投資(6月時点:約160兆円)に関して「ヘッジ」(※円買い要因)を促しており、ヘッジ比率にもよるが、こちらも警戒要因となる。



(山下)
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