東京為替見通し=ドル円、利上げ加速観測と国内指標を注視

 7日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、日銀の利上げペース加速への思惑が引き続き相場の重しとなり、欧州時間に入って2月23日以来の安値となる154.06円まで下落。その後の戻りが154.81円付近までに留まると、レーバーデーの祝日でNY勢が不在ということもあり、再び154円台前半まで押し戻され値動きが鈍った。ユーロドルは1.16ドル前半の狭いレンジ内推移に終始した。

 本日の東京市場のドル円は、日銀の利上げ加速への思惑を始め、GPIFなど機関投資家の国内資産への資金シフト観測、日米当局による円安是正への警戒感などを背景に円買いが強まりやすい流れとなる中、昨日に続いて下値が意識されやすいと見る。本日は日米で主だった要人発言が予定されておらず、本邦に関しては10日の増日銀審議委員の講演を見極めたいとのムードも漂っているが、不意の金融当局者などからの発言には警戒しておきたい。なお、米国については、5日より米連邦準備制度理事会(FRB)高官が金融政策への発言を控えるブラックアウト期間に入っている。

 本日、本邦で多数の経済指標の発表が予定されており、4-6月期実質国内総生産(GDP)改定値は速報値と比べ変化がないか確認しておきたい。市場予想は前期比+0.4%、前期比年率+1.6%と、速報値の前期比+0.3%/前期比年率+1.1%から上方修正される見通し。予想より強い結果となれば早期利上げ期待が一段と高まる可能性がある反面、下方修正となれば早期利上げ期待の後退につながることも考えられる。結果に注目したい。

 足もとでは日銀の利上げ加速観測に市場の関心が集まる中、日銀は金融政策を判断するにあたり為替だけでなく賃金や景気なども考慮している点を踏まえると、GDPの少し前に発表される7月毎月勤労統計や、午後に発表される8月景気ウオッチャー調査も気になるところである。通常は材料視されることの少ない指標ではあるが、市場での利上げ観測に影響を与えるか確認しておきたい。

 そのほか、解決の糸口が見えない中東情勢の行方は引き続き気にかけておきたい。市場の関心は日銀に集まっている中、昨日はWTI原油先物価格が一時93ドル台に上昇したものの市場の反応は限定的であった。しかし、93ドル台は7月後半以来の高値水準であり、一段と上昇する場合、インフレ懸念が再び台頭して米長期金利の上昇を招き、結果ドル高要因として注目されるシナリオにも、備えておきたい。

 他方、中国で8月貿易収支の発表が予定されている。G20財務相・中央銀行総裁会議でも中国の輸出依存や非市場的政策による貿易不均衡が議論されており、巨額の黒字となれば9月後半に予定されている米中首脳会談に影響を及ぼすことも考えられる。


(川畑)
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