NY為替見通し=ドル円、流動性の薄い中で売り仕掛けに要警戒か

 本日の米国はレーバーデーであり、NY為替市場の参加者は少ないことが予想される。ドル円は三村財務官の「引き続き臨戦態勢」を念頭に置きながら、流動性の薄い中での売り仕掛けに警戒しておきたい。

 来週15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けて、米8月雇用統計を受けてCMEグループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」での利上げ確率は、60%前後となっている。今週末11日に発表される米8月消費者物価指数(CPI)次第で利上げの有無が決まると思われるため、今週末までは動きづらい展開となるのかもしれない。

 先週ウォラーFRB理事は、「適切な政策スタンスに関する自分自身の判断は、8月のインフレ動向から得られる情報に大きく左右される」と述べた。「インフレ率が2%目標に向けて進展し続けていることが確認できれば、政策金利を現行水準に据え置くことを支持する用意がある」とのハト派的な見解を示した一方、「インフレ指標が予想以上に強い内容になれば、今月のFOMCで利上げを検討する」とタカ派的な見方も示していた。

 ウォーシュFRB議長は、ジャクソンホール会合で、2%の物価目標を堅持する姿勢を鮮明にし、インフレ鈍化が不十分なら追加対応が必要だと強調した。

 また、ベッセント米財務長官が米国債の価格維持に向けて「米財務省版ツイスト」を打ち出す中、米国債市場にとって重要な材料としては、ノルウェー政府年金基金(NBIM)と年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の動向が挙げられる。

 GPIFは、経営委員会を8月に開催して7年ぶりに「基本ポートフォリオ検証」を議論しており、海外投資(米国債や米国株)から国内投資(日本国債や日本株)への基本資産構成の移行の可能性が警戒されている。乖離許容幅をすべて円資産購入に振り向けた場合、30兆円規模の円買いが予想されている。

 さらにNBIMの債券運用の見直し提案では、保有債券のうち、日本国債の配分を4.6%から7.4%に増やす考えで、約170億ドル(2兆7000億円)の増加に相当すると試算されている。一方、米国債の保有額は約800億ドル(12兆5000億円)減る見通しで、米長期金利には上昇圧力がかかる恐れがある。ベッセント米財務長官の対応に注目しておきたい。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処は156.75円(9/4高値)

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処は153.07円(2/18安値)

(山下)
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