東京為替見通し=ドル円、NY市場での急落の背景を見極める展開か

 2日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、8月ADP全米雇用報告が予想を下回ったことや、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁発言、政府・日銀による為替介入への警戒感などから158.22円まで下落した。ただ、売り一巡後は159.00円付近まで下げ幅を縮めた。ユーロドルはドル円の急落に伴うドル売りなどで1.1609ドルまで強含みに推移した。ユーロ円は183.66円まで下落した後は、184円台前半で下げ渋った。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、中東有事のドル買いが下値を支える展開が予想される中、ニューヨーク市場での158円台までの急落の背景がレートチェックなのか、円買い介入なのかを見極めていくことになる。

 ドル円の買い材料としては、中東有事のドル買いや原油価格の高止まり、米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ観測などが挙げられ、売り材料としては、本邦通貨当局のドル売り・円買い介入の可能性や日銀金融政策決定会合での利上げ観測などが挙げられる。

 ドル円の急落の背景としては、東京時間に伝えられたタカ派の高田日銀審議委員が機動的な利上げを主張したことや、日米協調による「レートチェック」あるいは円買い介入の噂も飛び交った模様だが、真相は不明であり、日米通貨同盟からの見解を見極めることになる。
 1月23日のレートチェックの時のドル円は、159円台から155円台まで下落、7月31日の日米協調円買い介入の時は、160円台から157円台までの下落だった。しかし、昨日は160円台から158.22円まで下落し、一時攻防の分岐点である200日移動平均線を割り込む場面があったものの、8月20日の安値158.03円には届かず、通貨当局のアクションにしては少々物足りないような気がする。

 ベッセント米財務長官は、先日、植田日銀総裁との会談で9月日銀金融政策決定会合での利上げを要請した後、「私は市場が持っていない情報を持っている。日本政府と日銀が円高につながる措置を講じると確信している」という意味深な発言をしていた。ドル円が160円台から158円台まで急落した背景に「市場が持っていない情報」があるのか否か、関連ヘッドラインに警戒していくことになる。

 7月末のドル円の急落と今回の急落を受けて、おそらく160円付近に日米協調による円安防戦ライン「※ベッセント・シーリング?」が設定されている可能性が高まったことで、今後は、利上げ観測が高まっているFOMC(15-16日)や日銀金融政策決定会合(17-18日)などでの決定を待つことになるのかもしれない。

 なお、高田日銀審議委員が主張した機動的な連続利上げに関しては、一部市場筋の見立てである来春まで3回の利上げ(0.75%=3x0.25%)、すなわちターミナルレート(政策金利の最終到達水準)1.75%とほぼ合致している。

 地政学リスクを背景とした有事のドル買いに関しては、トランプ米大統領はイランに対する新たな軍事攻撃について、それほど長くは続かないとの見方を示し、ロシアがウクライナと和平合意を結ぶ用意が整った段階でプーチン露大統領との会談を実施したいとの考えを示しており、こちらも続報待ちとなる。


(山下)
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