東京為替見通し=ドル円、高市首相の「非リフレ」発言と減税姿勢の矛盾を凝視
8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、トランプ米大統領の発言「中間選挙前にイランを攻撃することはない。イランと建設的な協議を行っている」を受けて、WTI原油先物が伸び悩み、米長期金利が低下幅を拡大したことで、158.37円から157.52円まで下落した。ユーロドルは、フランスの政治・財政運営に対する懸念から1.1172ドルまで下落後、1.1227ドルまで反発した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、日米の長期金利や原油価格の動向を注視しながら、5日に行われた高市首相の所信表明演説に対する参議院での代表質問への回答に注目することになる。
高市首相は昨日の代表質問で、「日本経済は金融緩和や財政拡張を志向するリフレ政策が必要な局面ではない」と述べ、「自分はリフレ派ではない」ことを改めて宣言した。しかしながら、悲願である消費税減税には意欲を示しており、リフレ政策としての財政拡張路線を維持する姿勢により、市場は円安・債券安で反応せざるを得ないことになる。首相が「リフレ派ではない」ことを実証するには、消費税減税を撤回し、2027年度予算の概算要求の143兆円規模を大幅に削減して積極財政路線を転換することや、日銀によるさらなる利上げを容認することなどが必要となる。
一方で、他の市場要因にも目配りが必要だ。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の9月会合では、基本ポートフォリオ検証の議題がなかったことで、国内債への資金回帰という円高要因は後退した。しかし、本邦長期金利が上昇基調を続けた場合は国内債比率の引き上げ観測が浮上する可能性があるため、予断を許さない状況は続く(※なおGPIFは、2014年10月31日に黒田日銀による予想外の追加金融緩和「黒田バズーカ砲第2弾」と歩調を合わせて、基本ポートフォリオでの外国債券・株式の運用枠拡大[外国債券:11%から15%、外国株式:12%から25%]を発表し、ドル高・円安に拍車をかけた経緯がある)。
また、本邦機関投資家がフランス国債の大幅な下落を受けてユーロ売り・円買いを行っているとのことで、フランスの財政不安がリスク回避の円買い要因となっている。さらに上値を抑える要因としては、円安抑制が日米首脳会談で確認されたことや、ベッセント米財務長官の「胴元」発言などで、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入、あるいは7月末のような日米協調での円買い介入の可能性が払拭されないことが挙げられる。
イラン情勢に関しては、トランプ米大統領が「中間選挙前にイランを攻撃することはない。イランと建設的な協議を行っている」と述べたことで警戒感がやや後退しているものの、引き続き関連ヘッドラインには警戒しておきたい。そして今月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)に関しては、先日のウィリアムズ米NY連銀総裁とジェファーソンFRB副議長に続いて、ウォラーFRB理事も連続利上げに慎重な見解を示したことで、利上げ確率が低下している。
最後にテクニカル面を見ると、ドル円は米長期債利回りや原油価格が高止まりしていることで、攻防の分岐点である200日移動平均線(158.53円)の手前で上放れをうかがう展開が続いている。日足一目均衡表では、抵抗水準だった雲の下限が本日157.95円まで低下しており、来週月曜日には157.23円まで低下していくことで、雲の中での値動きとなる可能性を念頭に置いて相場に臨みたい。
(山下)
本日の東京外国為替市場のドル円は、日米の長期金利や原油価格の動向を注視しながら、5日に行われた高市首相の所信表明演説に対する参議院での代表質問への回答に注目することになる。
高市首相は昨日の代表質問で、「日本経済は金融緩和や財政拡張を志向するリフレ政策が必要な局面ではない」と述べ、「自分はリフレ派ではない」ことを改めて宣言した。しかしながら、悲願である消費税減税には意欲を示しており、リフレ政策としての財政拡張路線を維持する姿勢により、市場は円安・債券安で反応せざるを得ないことになる。首相が「リフレ派ではない」ことを実証するには、消費税減税を撤回し、2027年度予算の概算要求の143兆円規模を大幅に削減して積極財政路線を転換することや、日銀によるさらなる利上げを容認することなどが必要となる。
一方で、他の市場要因にも目配りが必要だ。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の9月会合では、基本ポートフォリオ検証の議題がなかったことで、国内債への資金回帰という円高要因は後退した。しかし、本邦長期金利が上昇基調を続けた場合は国内債比率の引き上げ観測が浮上する可能性があるため、予断を許さない状況は続く(※なおGPIFは、2014年10月31日に黒田日銀による予想外の追加金融緩和「黒田バズーカ砲第2弾」と歩調を合わせて、基本ポートフォリオでの外国債券・株式の運用枠拡大[外国債券:11%から15%、外国株式:12%から25%]を発表し、ドル高・円安に拍車をかけた経緯がある)。
また、本邦機関投資家がフランス国債の大幅な下落を受けてユーロ売り・円買いを行っているとのことで、フランスの財政不安がリスク回避の円買い要因となっている。さらに上値を抑える要因としては、円安抑制が日米首脳会談で確認されたことや、ベッセント米財務長官の「胴元」発言などで、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入、あるいは7月末のような日米協調での円買い介入の可能性が払拭されないことが挙げられる。
イラン情勢に関しては、トランプ米大統領が「中間選挙前にイランを攻撃することはない。イランと建設的な協議を行っている」と述べたことで警戒感がやや後退しているものの、引き続き関連ヘッドラインには警戒しておきたい。そして今月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)に関しては、先日のウィリアムズ米NY連銀総裁とジェファーソンFRB副議長に続いて、ウォラーFRB理事も連続利上げに慎重な見解を示したことで、利上げ確率が低下している。
最後にテクニカル面を見ると、ドル円は米長期債利回りや原油価格が高止まりしていることで、攻防の分岐点である200日移動平均線(158.53円)の手前で上放れをうかがう展開が続いている。日足一目均衡表では、抵抗水準だった雲の下限が本日157.95円まで低下しており、来週月曜日には157.23円まで低下していくことで、雲の中での値動きとなる可能性を念頭に置いて相場に臨みたい。
(山下)
