週間為替展望(ドル/ユーロ)-日・米・欧の金融政策決定会合に注目

◆ドル円、日米ともに金利据え置き見通しも、12月会合への見解に注目
◆ドル円、原油価格や日米長期金利の動向、PHPショックに注意
◆ユーロドル、ECB理事会では据え置き見通し、伝達保護措置の適用協議に注目

予想レンジ
ドル円   155.00-159.00円
ユーロドル 1.1100-1.1300ドル

10月26日週の展望
 来週のドル円相場は、日米の金融政策決定会合という重要イベントが開催される中、今後の利上げペースを巡る思惑や地政学リスクを巡る不確実性を見極める神経質な展開となりそうだ。

 米連邦公開市場委員会(FOMC、27-28日)および日銀金融政策決定会合(29-30日)ともに政策金利の据え置きが確実視されており、市場の関心はすでに12月会合に向けた見通しへと移っている。FOMCでは、ウォラーFRB理事、ウィリアムズNY連銀総裁、ジェファーソンFRB副議長らがそろって据え置きを支持しており、ウォーシュFRB議長からも反論は見られない。フェドウオッチの予想通り、据え置き決定の公算が大きい中、注目ポイントは、利上げを主張するメンバーの数や12月会合に向けた見通しとなる。仮にタカ派的な議論が根強いことが示されれば、日米長期債利回り格差の縮小期待が後退し、ドルの下値を支える要因として働きそうだ。

 日銀会合でも現状維持が見込まれるが、2027年度の物価見通しを上方修正するとの観測が浮上している。さらに一部で報じられている「基調的な物価上昇率が目標の2%に到達したかどうかの判断」が示されるか否かが最大の分岐点だ。もし到達との判断が下されれば、リフレ政策の撤回を掲げた高市政権による利上げ牽制圧力が後退したと市場は受け止める可能性が高い。これは12月会合での1.50%への利上げ、さらには来年の中立金利水準(1.10%-2.50%)の上限付近へ向けた利上げの道筋を意識させることになり、植田日銀総裁の会見に注目しておきたい。

 また、中東情勢を巡っては、トランプ米大統領が11月3日の中間選挙前のイラン攻撃を否定し、イラン側も「7日間の信頼醸成案」を提示するなど最悪の事態は回避されているように映る。しかし、サウジアラビアとイエメンの親イラン武装組織フーシ派との交戦が激化しており、原油価格の動向などには注視しておきたい。さらに、プログラミング言語「PHP」の深刻な脆弱性問題が株式市場や社会活動の混乱を招いており、新たなリスクオフ要因としてドル円の重石となる懸念が残る。

 ユーロドルは、フランスの財政悪化と来年の大統領選での右派躍進懸念という政治的混迷から、仏国債利回りが20年ぶりの高水準へ急騰している。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁がフランス国債への「伝達保護措置(TPI)」適用に否定的な姿勢を崩さない中、仏国債格下げから欧州ソブリン債務危機へ波及するリスクシナリオも燻っており、政策金利据え置きが予想されているECB理事会での対応策協議に注目しておきたい。

10月19日週の回顧
 ドル円は、中東情勢の緊迫化を受けた原油価格の上昇で158.60円まで上昇した後、米10年債利回りの低下やPHPショックを受けた株式市場の急落を受けて156円前半まで反落した。高市首相が、高市円安・高市高金利を明確に否定したこともドル円の売り材料。ユーロドルは、米長期金利の低下で1.1183ドルから1.1261ドルまで上昇後、仏独債スプレッドの拡大を受けて1.11ドル台後半まで反落した。ユーロ円は175円前半まで下落し年初来安値を更新した。(了)(執筆:10月23日、9:00)

(松井)
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