株式明日の戦略―週間では下落も週足は陽線、来週は決算銘柄の売買に全力投球

 29日の日経平均は3日ぶり小幅反落。終値は13円安の27801円。

 日経平均は後場に入って下げに転じた。ドル円が円高に振れたことが要因と思われる。チャートを見ると、まだ円安トレンドが崩れたと言えるような状況ではない。13週線が133円近辺、75日線が132円50銭近辺に位置しており、そろそろ円高が一服しそうなタイミングにも見える。ただし、これらを明確に割り込んだ場合には、投機的な資金も巻き込んで円高に勢いがつく可能性がある。米国の長期金利が上がってこないため、その動きにも理由付けはできるし、実際、転換点を迎えているかもしれない。円安が進行していた際に日本株がそれを理由に大きく上昇したわけではないため、円高に勢いがついたとしても、過度に恐れる必要はない。ただし、物色のトレンドには変化が出てくると思われる。来週は為替動向に注意を払っておく必要がある。


【来週の見通し】
 横ばいか。米国では、7月FOMCや主力グロース株の決算など注目度の高いイベントを一通り消化した。国内では決算発表ラッシュとなるため、決算銘柄の売買に全力投球といった地合いが想定される。ドル円に動きが出てきており、為替動向には神経質になると思われる。米国では決算発表は少なくなるが、注目指標の発表は幾つかある。ただ、週末8月5日に雇用統計の発表があるため、この結果を確認するまでは、ドル円の大局はつかみづらい。輸出関連・外需、グロース・バリュー、どのジャンルでも業績が良いものもあれば悪いものもある。個別重視の様相が強まることで、外部環境には良くも悪くも鈍感となり、指数は現状水準から大きな動きが出てこないと予想する。


【今週を振り返る】
 軟調となった。前の週に動きが良かった米国株が調整色を強めてきたことから、日経平均は週初の25日に大幅安。26日、27日はFOMCの結果発表を前に方向感が定まらなかった。7月FOMCでは0.75%の利上げが決定されたが、事前の織り込みも進んでいたことから、結果を受けた米国株は上昇。これを好感して28日には一時28000円台を回復した。ただ、2会合連続の大幅利上げを受けても米長期金利が低下したことで、市場は景気後退を強く意識。ドル安・円高が進んだことが日本株には重荷となり、FOMC通過後の米国株に強い動きが見られた割には、好影響が限定的となった。日経平均は週間では約113円の下落。週初の発射台が低かったことから、週足では2週連続で陽線を形成した。
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