欧州マーケットダイジェスト・17日 株安・金利上昇・ポンド失速

(17日終値:18日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=135.41円(17日15時時点比△1.25円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=137.69円(△1.10円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0168ドル(▲0.0013ドル)
FTSE100種総合株価指数:7515.75(前営業日比▲20.31)
ドイツ株式指数(DAX):13626.71(▲283.41)
10年物英国債利回り:2.288%(△0.163%)
10年物独国債利回り:1.083%(△0.112%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
7月英消費者物価指数(CPI)
前月比                0.6%       0.8%
前年比                10.1%       9.4%
CPIコア指数(前年比)         6.2%       5.8%
7月英小売物価指数(RPI)
前月比                0.9%       0.9%
前年比                12.3%      11.8%
4-6月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値
前期比                0.6%       0.7%
前年同期比              3.9%       4.0%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは売買が交錯。ユーロ圏の深刻なエネルギー危機が警戒される中、高インフレによる域内の景気悪化が意識されやすく、ユーロ売り・ドル買いが先行。21時30分過ぎに一時1.0146ドルと日通し安値を付けた。ただ、独長期金利の上昇に伴うユーロ買い・ドル売りが入ると1.0199ドルと日通し高値を付けた。ユーロ豪ドルなどユーロクロスの上昇も相場を下支えした。

・ポンドドルは頭が重かった。7月英消費者物価指数(CPI)が前年同月比で10.1%上昇と予想の9.8%上昇を上回り、1982年2月以来の高い伸びを記録すると、英中銀(BOE)が次回金融政策委員会(MPC)で大幅利上げを決めるとの観測が高まり一時1.2143ドルと日通し高値を付けた。ただ、高インフレと金融引き締めによる英景気の後退懸念が意識されると次第にポンド売りが優勢に。1時前には一時1.2028ドルと日通し安値を更新した。

・ドル円はしっかり。7月米小売売上高の結果を好感したドル買いが先行すると、24時過ぎに一時135.50円と日通し高値を更新。レジスタンスとして意識されている一目均衡表雲の上限に面合わせした。米10年債利回りが2.91%台まで上昇したこともドルの支援材料。市場では「米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月26-27日分)がタカ派的な内容になるとの思惑から、ドル買いが入った」との声も聞かれた。

・ユーロ円は堅調。独長期金利の上昇を手掛かりにユーロ買いが入ったほか、ドル円の上昇に伴う円売りが出て一時137.88円と本日高値を更新した。

・オセアニア通貨は軟調だった。欧米株価の下落でリスクセンチメントに敏感なオセアニア通貨に売りが出た。豪ドルは本日発表された4-6月期豪賃金指数が弱い結果となったことも相場の重しとなり、豪ドル米ドルは0.6911米ドル、豪ドル円は93.57円まで値を下げた。
 NZドルはオアNZ準備銀行(RBNZ)総裁が利上げ後の会見で成長率に対して弱気な見解を示したことが重しとなり、NZドル米ドルは0.6258米ドル、NZドル円は84.73円まで値を下げた。

・ロンドン株式相場は4日ぶりに反落。7月英CPIが前年同月比で10.1%上昇と予想の9.8%上昇を上回り、1982年2月以来の高い伸びを記録したことで、BOEが次回MPCで大幅利上げを決めるとの観測が高まった。高インフレと金融引き締めによる英景気の後退懸念が意識されて、株売りにつながった。

・フランクフルト株式相場は4日ぶりに大幅反落。ユーロ圏の深刻なエネルギー危機が警戒される中、株式への売りが膨らんだ。市場では「ライン川の水位低下という域内のエネルギー事情をさらに悪化させる材料が浮上している」との声が聞かれた。エネルギー大手ユニパーが独企業として史上最大級の純損失を計上したことを受けて、「域内エネルギー市場を取り巻く前例のない危機の影響があらためて浮き彫りとなった」との指摘もあった。

・欧州債券相場は下落。7月英CPIが予想を上回り、インフレ長期化の懸念が広がった。英国債の売りが独国債にも波及した。

(中村)
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