週間為替展望(豪ドル/ZAR)-移り気なRBA理事会に警戒

◆豪ドル、移り気なRBA理事会に警戒、利上げへの見解変更の可能性も
◆メルボルンインフレ率・GDP等の経済指標にも注目
◆ZARは上値重いか、政治的混迷深まれば売りに拍車も

予想レンジ
豪ドル円 93.50-99.50円
南ア・ランド円 7.70-8.20円

9月5日週の展望
 豪ドルは底堅いか。来週最大の注目となるのが、6日の豪準備銀行(RBA)理事会。市場ではインフレ高進のため、政策金利を50ベーシスポイント(bp)利上げし、1.85%から2.35%への引き上げ予想が優勢となっている。今週発表された、豪小売売上高も市場予想から上振れしたことも、50bpの利上げ予想を高めている。予想通りの結果となった場合でも、声明文次第で豪ドルは大きく動く可能性が高い。

 前回8月の理事会では、今後も金融正常化に向けて進むことを見込むとしながらも、「あらかじめ設定された軌道上にあるわけではない」という文言が付け加えられた。この文言追加で豪3年債利回りが急低下し、豪ドルは売られた。今回も、同様の声明が予想されている。ただ、RBAは過去にも直前まで頑なに金融正常化を否定していたにもかかわらず、極短期間で見解を反転し利上げに動いたことがある。金融政策に対しては非常に柔軟性を持っていると言える。移り気なRBAが見解を訂正する可能性もあり、警戒しておく必要がありそうだ。なお、8日にはロウRBA総裁が講演を予定している。

 また、複数の注目経済指標が発表されることにも注目したい。RBA理事会前日5日には、8月のメルボルン・インスティテュートのインフレ率が発表される。シドニーとともに2大都市でもあるメルボルンのインフレ結果が、翌日のRBA理事会にも影響を及ぼす可能性もある。また、6日に4-6月期経常収支、7日には4-6月期国内総生産(GDP)、8日には7月貿易収支なども発表が予定されている。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は上値が限られるか。短期的には、引き続き米金利の動向がZARの値動きへ影響を与えそうだ。しかし、中長期的には南アの政局不安や労使間交渉の行き詰まり、電力負荷制限などネガティブなニュースが多く、上値が抑えられるだろう。政治的な問題としては、ラマポーザ南ア大統領が違法な外貨取引を行ったとされている「ファラファ・スキャンダル」について、8日までに南アフリカ準備銀行(SARB)への説明を求められている。国民が納得できる回答ができるかに注目が集まるが、回答次第では大統領の再選も危ぶまれそうだ。また、ゴドンワナ南ア財務相のセクハラ問題の進展にも要注目。なお、経済指標は6日に4-6月期GDP、8日に同期経常収支が発表される。

8月29日週の回顧
 豪ドルは対円では横ばい、対ドルでは弱含んだ。米金利の上昇や軟調な株式市場の動き、GDPを形成する要素の一つでもある4-6月期豪民間設備投資が市場予想の+1.5%を下回り-0.3%となったことなどが豪ドルの上値を抑えた。一方で、小売売上高が市場予想を上回ったことなどが支えとなった。ZARは上値が重かった。株式市場の下げ幅が拡大すると、新興国市場からの資金流出などが懸念され弱含んだ。(了)
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