NYマーケットダイジェスト・21日 FOMC受け金利上昇・ドル高・株急落(2)

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続落し、6月17日以来約3カ月ぶりの安値となった。FRBが今日まで開いたFOMCで0.75%の利上げを決め、インフレ抑制に向け今後も大幅利上げを継続する方針を示すと、金融引き締めが米景気の悪化を招くとの見方が強まり株式への売りが膨らんだ。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅続落し、7月1日以来の安値で取引を終えた。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反発。FRBが今日まで開いたFOMCで0.75%の利上げを決め、金利見通しで一段の大幅利上げを示唆すると債券売りが優勢に。利回りは一時3.6243%前後と11年2月以来の高水準を付けた。
 ただ、パウエルFRB議長が定例記者会見で「今後の利上げペースは経済データ次第」「いつか利上げペースを落とすのが適切になるだろう」などと発言すると、債券を買い戻す動きが優勢となり、上げに転じた。米国株相場が急落したことで、安全資産とされる米国債の買いを促した面もある。
 米金融政策の影響を受けやすい米2年債利回りは一時4.1168%前後と07年10月以来の高水準を付けた。

・原油先物相場は続落。ウクライナを巡り欧米と産油国ロシアの対立が深まるなか、エネルギー供給逼迫への懸念を背景に時間外では買いが先行。ただ主要国が金融引き締めを強化するなか景気減速への警戒感は根強く、一巡後は再び上値を切り下げる動きとなった。米エネルギー省(EIA)週間石油在庫統計では原油とガソリンが共に積み増しとなったことも相場の重しとされた。

・金先物相場は3日ぶりに反発。時間外から買い先行。プーチン露大統領が「軍の部分動員令」に署名したことが伝わると、ウクライナでの戦闘激化への懸念から安全資産の金に資金が向かった。もっともNY勢の参入後はFOMCを控えて米2年債利回りが上昇基調を強めたことや、為替相場でドル高が進行したことなどが重しとなって伸び悩んだ。

(中村)
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