NY為替見通し=米CPIを受けた金利見込み、その後の大統領会見に要注目

 本日のNY為替市場では、まずは序盤に発表される米国の12月インフレ指標に注目。その後は、複数予定されている米金融当局者の講演に耳を傾ける必要はあるが、米東部時間10時(日本時間24時)に始まるバイデン米大統領の会見「経済とインフレへの取り組みについて」をより注視することになる。

 12月米消費者物価指数(CPI)は前年比予想6.5%と11月7.1%から伸び率鈍化が見込まれている。予想通りであれば12月雇用統計・平均時給が想定以上に減速していたこともあり、「2月1日米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%引き上げ」とこれまでよりも上げ幅縮小の確率が高まることになる。

 また前月比については、一部ではあるがマイナスを予想する向きもいるようだ。全体的にCPIの鈍化がより進んでいたとなれば、CMEのフェドウォッチが示唆しているようにターミナルレート(政策金利の最終到達点)が4.75-5.00%と、12月FOMCのドット・プロット5.00-25%よりも下振れする可能性が強まるか。そうなるとドル売りが強まることになりそうだ。

 ただ気を付けるべきは、市場がインフレ鈍化を期待し過ぎていること。CPIが予想比で上振れとなれば、ドルの反発が一気に進むかもしれない。なお、足もとのフェドウオッチでは、次回の米利上げ幅0.50%は20%強の織り込み度。こちらの反応度合いにも注意しておきたい。

 ところで前回CPIについて、結果が発表前に漏れていたとの疑惑が浮上した。昨年12月13日、11月CPI発表の60秒前に米国債先物取引が急増したためだ。労働省は調査を実施してデータが漏れた可能性を否定しているが、本日も直前の相場動向に注視することになる。

 本日の米連邦準備理事会(FRB)関係者の講演は、CPI後にフィラデルフィア連銀総裁、
日本時間1時台にセントルイス連銀総裁、2時台にリッチモンド連銀総裁が予定されている。バイデン大統領の会見については、インフレ低下を政権サイドは既に知っており、物価改善を誇るために設定されたのではないかとの声もあるようだ。

・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、1月11日の高値の132.87円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、1月4日の安値の129.93円。

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