ニューヨーク外国為替市場概況・21日 ドル円、3日ぶり反発

 21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反発。終値は132.51円と前営業日NY終値(131.32円)と比べて1円19銭程度のドル高水準だった。経営不安に陥っているスイス金融大手クレディ・スイスについて、週末に同業のUBSが買収することで合意したほか、米連邦準備理事会(FRB)など日米欧の6中銀が米ドル資金供給の拡充で協調を決定。当局による一連の迅速な措置を受けて、欧州金融機関の経営を巡る過度な懸念が和らいだ。欧州株相場が大幅に続伸すると、リスク・オフの動きが巻き戻される格好となり円売り・ドル買いが進んだ。
 イエレン米財務長官はシリコンバレー銀行(SVB)など経営破綻した中堅銀行2行の預金を全額保護したことに関して、「他の銀行でも預金の取り付け騒ぎが発生すれば、同様の措置を取る」と明言。金融システム不安の拡大を防ぐために断固とした対応を取る姿勢を示した。米国株相場が堅調に推移すると円売り・ドル買いがさらに進み、3時30分過ぎには132.63円と日通し高値を更新した。

 ユーロドルは4日続伸。終値は1.0768ドルと前営業日NY終値(1.0721ドル)と比べて0.0047ドル程度のユーロ高水準だった。欧州金融機関の経営を巡る過度な懸念が和らぐ中、株価が上昇すると投資家のリスク回避姿勢が後退しユーロ買い・ドル売りが優勢となった。
 イエレン米財務長官の発言で米金融システム不安への警戒が後退し、米国株が上昇したことも相場の支援材料となった。22時30分過ぎには一時1.0788ドルと2月14日以来の高値を付けた。その後も1.07ドル台後半での値動きが続いた。

 ユーロ円は続伸。終値は142.68円と前営業日NY終値(140.82円)と比べて1円86銭程度のユーロ高水準。欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50指数が1.5%超上げたほか、ダウ平均が340ドル超上昇すると、投資家のリスク回避姿勢が後退し円売り・ユーロ買いが優勢となった。一時142.79円と日通し高値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:131.04円 - 132.63円
ユーロドル:1.0704ドル - 1.0788ドル
ユーロ円:140.42円 - 142.79円

(中村)
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