ニューヨーク外国為替市場概況・14日 ユーロドル、反落

 14日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは反落。終値は1.0883ドルと前営業日NY終値(1.0948ドル)と比べて0.0065ドル程度のユーロ安水準だった。米労働省が発表した2月米卸売物価指数(PPI)が前月比0.6%/前年比1.6%と予想の前月比0.3%/前年比1.1%を上回ったほか、食品とエネルギーを除くコア指数も前月比0.3%/前年比2.0%と予想の前月比0.2%/前年比1.9%より強い内容となったことが分かると、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となった。2時30分過ぎに一時1.0881ドルと日通し安値を付けた。主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時103.40まで上昇した。
 なお、市場では「米連邦準備理事会(FRB)にとって、利下げ先送りの論拠が増えた格好だ」「インフレに関しては悪いニュースしかない。政策金利が11月まで据え置かれる可能性も出てきた」との声が聞かれた。

 ドル円は3日続伸。終値は148.33円と前営業日NY終値(147.76円)と比べて57銭程度のドル高水準だった。米PPIの上振れをきっかけに米長期金利が上昇すると全般ドル買いが先行し一時148.04円まで値を上げた。ただ、22時過ぎに「日銀は来週18-19日に開く金融政策決定会合で、マイナス金利政策を解除する方向で調整に入った」「長期金利を0%に誘導する長短金利操作(YCC)の撤廃を含めて、大規模金融緩和の正常化に踏み切ることを検討」との一部報道が伝わると一転下落。22時30分前には147.44円と日通し安値を付けた。
 もっとも、売り一巡後は再び強含む展開に。米インフレ指標の上振れを受けた米金利の上昇で、ドルが全面高となった流れに沿った。3時30分過ぎには一時148.36円と日通し高値を更新した。米長期金利の指標となる米10年債利回りは4.2982%前後まで大幅に上昇した。

 ユーロ円は3営業日ぶりに反落。終値は161.42円と前営業日NY終値(161.77円)と比べて35銭程度のユーロ安水準。日銀の早期政策修正観測が高まる中、22時30分前に一時161.11円と日通し安値を付けたものの、ドル円の上昇につれた買いが入ると161円台半ばまで下げ渋った。

本日の参考レンジ
ドル円:147.44円 - 148.36円
ユーロドル:1.0881ドル - 1.0955ドル
ユーロ円:161.11円 - 161.91円

(中村)
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