欧州マーケットダイジェスト・3日 株高・金利低下・円安・ドル安

(3日終値:4日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=151.68円(3日15時時点比△0.09円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=164.30円(△0.96円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0832ドル(△0.0057ドル)
FTSE100種総合株価指数:7937.44(前営業日比△2.35)
ドイツ株式指数(DAX):18367.72(△84.59)
10年物英国債利回り:4.056%(▲0.029%)
10年物独国債利回り:2.395%(▲0.005%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
3月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
前年比                2.4%       2.6%
3月ユーロ圏HICPコア速報値
前年比                2.9%       3.1%
2月ユーロ圏失業率          6.5%       6.5%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は上値が重かった。3月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が18.4万人増と予想の14.8万人増を上回ったことが伝わると、米長期金利の上昇とともに円売り・ドル買いが先行。23時前に一時151.95円と日通し高値を更新した。
 ただ、3月米ISM非製造業指数が51.4と予想の52.7を下回ったことが分かると失速した。一時は4.4274%前後と昨年11月以来の高水準を付けた米10年債利回りが上昇幅を縮めたことも相場の重しとなり、151.58円付近まで下押しした。政府・日銀による為替介入への警戒感が根強い中、3月27日に付けた34年ぶりの高値151.97円やノックアウトオプションが観測されている152.00円もレジスタンスとして意識された。
 なお、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は「インフレについて確信強めるまで利下げは想定していない」「経済が予想通りに進展すれば、FOMC参加者の大半は年内に利下げが始まると見ている」「経済の力強さをインフレ抑制の進展を考えると、今後のデータに政策決定を委ねる時間はある」と述べ、利下げを急がない考えを改めて強調した。もっとも、新味の内容に乏しく相場の反応は限られた。

・ユーロドルは底堅い動き。しばらくは1.07ドル台後半でのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると上値を試す展開となった。ADP全米雇用報告は予想を上回ったものの、米ISM非製造業指数が予想を下回ったことから全般ドル売りが優勢に。1時30分過ぎには一時1.0836ドルまで値を上げた。なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.23まで低下した。

・ユーロ円は堅調。ユーロドルの上昇につれた買いが入ったほか、欧米株価の上昇でリスク・オンの円売りも優勢となり、一時164.33円と日通し高値を更新した。
 ユーロ円以外のクロス円も堅調だった。ポンド円は一時191.90円、豪ドル円は99.65円、NZドル円は91.18円、カナダドル円は112.32円、スイスフラン円は167.92円、メキシコペソ円は9.18円まで値を上げた。

・ロンドン株式相場は小反発。本日のアジア株相場が下落したことで続落して始まったものの、米国株相場の上昇につれた買いが入ると終盤持ち直した。原油高を背景にBPやシェルなどエネルギー株が買われ、相場を下支えした。半面、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られ、相場の重しとなった。

・フランクフルト株式相場は反発。3月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が予想を下回ると、欧州中央銀行(ECB)が6月にも利下げに動くとの見方が強まり株買いを誘った。個別ではBMW(4.88%高)やコメルツ銀行(4.61%高)、ポルシェ・オートモービル・ホールディング(3.29%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。ECBが6月にも利下げに動くとの見方が強まり独国債に買いが入った。

(中村)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。