予想とまとめ

週間為替展望(ポンド/加ドル)-加ドル、金利据え置きは織り込み済み
2026/08/29 03:40
◆ポンド、独自材料乏しいが利上げ期待の残りが下支え
◆加ドル、市場は来週BOCの金利据え置きを織り込み済み
◆加ドル、米国との通商リスクへの警戒感続く

予想レンジ
ポンド円 214.50-218.50円
加ドル円 113.50-116.50円

8月31日週の展望
 英国では来週に主要な経済指標が少なく、ポンドはイングランド銀行(英中銀、BOE)の金融政策見通しへの思惑と外部環境に左右される展開となりそうだ。

 7月CPIは前年比2.9%と6月の2.6%から上昇し、7月のBOE会合では6対3で政策金利3.75%の据え置きを決めたものの、3人が利上げを主張した。英景気は大きく崩れず、インフレ率が高止まりしており、BOEが早期の利下げに動く可能性は低い。年内利上げ期待が残されていることが、ポンドの下値を支える要因となる。新たな材料が乏しい来週は、ポンドが積極的に上値を切り上げるより、英長期金利や米金利、原油価格を睨みながら方向を探る展開が見込まれる。原油高が再び強まればインフレ警戒から英金利が上昇し、ポンドを支える可能性がある一方、金利上昇が景気への懸念につながれば上値は抑えられよう。

 加ドルは、カナダ中銀(BOC)の政策金利発表が最大の焦点である。市場では政策金利2.25%の据え置きが基本線となっているが、4-6月期GDPが年率3%台半ばとなる可能性があるなど、景気は中銀の想定以上に強い。7月CPIも前年比3.0%へ上昇しており、景気と物価の双方が強ければ、中銀が金融緩和を急ぐ必要性は後退する。したがって9月会合では政策金利そのものより、強いGDPとインフレを踏まえた中銀の景気・物価認識が加ドルの方向を左右しそうだ。

 ただし、米国との通商摩擦が大きな懸念材料となる。トランプ米政権はカナダとの通商交渉が決裂したことを受け、約200億ドル相当のカナダ製品に50%の追加関税を発動した。対象はカナダの対米輸出の5%強と経済全体への直接的な影響は限定的とされるが、米加通商関係が悪化したことで、今後の企業投資や雇用への波及が懸念される。トランプ米大統領はさらに、カナダからの自動車・トラック・自動車部品について2027年1月から50%へ引き上げる可能性を示しており、通商問題が一段と深刻化するリスクも残る。これに対しカナダのカーニー政権は、米国の50%関税に対して「ドル・フォー・ドル」の報復措置を表明しており、通商摩擦の激化による実体経済への影響が注視される。

 この通商摩擦は加ドルにとって両面材料となる。報復関税の応酬が長期化すればカナダの輸出、企業収益、雇用への下押し圧力が強まり、中銀が景気を優先して政策金利を低く維持するとの見方から加ドル売りにつながりやすい。一方、9月8日の報復関税発動を前に米加双方が再交渉へ動けば、関税リスクの後退から加ドルが買い戻される可能性もある。

8月24日週の回顧
 今週のポンドは材料難で値動きは限定的。ポンドドルは1.36ドルを挟んだ狭いレンジ内で上下し、ポンド円はドル円の底堅い動きが支えとなるも上値は217円半ばで抑えられた。加ドルは米政権の追加関税が重しとなり、ドル/加ドルは1.39加ドル手前まで加ドル安が進み、加ドル円は114円前半に押し戻された。(了)
(執筆:8月28日、9:00)

国内イベントスケジュール

2026/08/31 06:15
31日
08:507月鉱工業生産速報
08:507月商業販売統計速報(小売業販売額)
14:007月新設住宅着工戸数
1日
08:504-6月期の法人企業統計調査(法人季報、ソフトウェアを含む設備投資額)
14:008月消費動向調査(消費者態度指数 一般世帯)
2日
08:508月マネタリーベース
10:30高田創日銀審議委員、あいさつ
3日
08:50対外対内証券売買契約等の状況(週次・報告機関ベース)
4日
08:307月家計調査(消費支出)
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。

海外イベントスケジュール

2026/08/31 06:30
31日
10:008月ANZ企業信頼感
10:308月中国製造業購買担当者景気指数(PMI)
16:007月トルコ失業率
16:004-6月期トルコ国内総生産(GDP)
19:304-6月期インドGDP
21:007月南アフリカ貿易収支
21:008月独消費者物価指数(CPI)速報値
20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議(ノースカロライナ州アシュビル、9月1日まで)
英国(サマーバンクホリデー)、休場
1日
10:304-6月期豪経常収支
10:307月豪住宅建設許可件数
10:458月RatingDog中国製造業PMI
15:008月英ネーションワイド住宅価格指数
15:307月スイス小売売上高
16:008月トルコ製造業PMI
16:308月スイス製造業PMI
16:508月仏製造業PMI改定値
16:558月独製造業PMI改定値
17:008月ユーロ圏製造業PMI改定値
17:30コッハー・オーストリア中銀総裁、講演
17:308月英製造業PMI改定値
17:307月英消費者信用残高
17:307月英マネーサプライM4
18:008月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
18:008月ユーロ圏HICPコア速報値
18:007月ユーロ圏失業率
21:004-6月期ブラジルGDP
21:30ナーゲル独連銀総裁、講演
22:458月米製造業PMI改定値
23:008月米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景気指数
23:007月米建設支出
23:007月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
24:008月メキシコ製造業PMI
2日
00:30ブイチッチ欧州中央銀行(ECB)副総裁、講演
07:457月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数
10:304-6月期豪GDP
11:00ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、政策金利発表
17:307-9月期南アフリカ経済研究所(BER)企業信頼感指数
20:00米MBA住宅ローン申請指数
21:158月ADP全米雇用報告
22:45カナダ銀行(BOC、中央銀行)、政策金利発表
23:007月米製造業新規受注
23:30EIA週間在庫統計
3日
01:007月ロシア失業率
03:00米地区連銀経済報告(ベージュブック)
10:307月豪貿易収支
10:458月RatingDog中国サービス部門PMI
15:308月スイスCPI
16:004-6月期スイスGDP
16:008月トルコCPI
16:508月仏サービス部門PMI改定値
16:558月独サービス部門PMI改定値
17:008月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
17:308月英サービス部門PMI改定値
18:007月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
18:308月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)
21:304-6月期カナダ労働生産性指数
21:307月カナダ貿易収支
21:307月米貿易収支
21:304-6月期米非農業部門労働生産性・改定値
21:30前週分の米新規失業保険申請件数/失業保険継続受給者数
21:30ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、討議に参加
22:458月米サービス部門PMI改定値
22:458月米総合PMI改定値
23:008月米ISM非製造業指数
4日
15:007月独製造業新規受注
17:308月英建設業PMI
17:50ベイリー英中銀(BOE)総裁、講演
18:00レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミスト、講演
18:007月ユーロ圏小売売上高
21:308月カナダ雇用統計
21:308月米雇用統計
23:008月カナダIvey購買部協会景気指数
5日
03:008月ブラジル貿易収支
インド(クリシュナ神生誕日)、休場
※重要度、高は☆、中は◎、低◇とする。
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