株式明日の戦略-後場一段高で37500円台に到達、決算発表終盤戦も好地合いが継続か

 9日の日経平均は大幅続伸。終値は574円高の37503円。

 日経平均は500円を超える上昇。前場も後場も後半の動きが良く、37000円や37500円の節目を上回った。きのうまで37000円を前に足踏みが続いていただけに、これを明確に超えてきたことは力強い。75日線(37095円、9日時点、以下同じ)も上回っており、目先は同水準や5日線(36898円)がサポートになると期待できる。

 今週は、(1)ウォーレン・バフェット氏の発言から、日本の大手商社株が改めて強く買われる場面があったこと、(2)NTTによるNTTデータG完全子会社化など「親子上場解消」が改めて株式市場のテーマとして意識されたこと、(3)自社株買いの発表、減益見通しでも増配計画など、株主還元を意識したリリースが多く見られたこと―など、日本株の再評価機運を高める材料が多かった。決算発表が一巡した後も、日本株からは資金が逃げない可能性がある。来週以降は、高水準の売買代金が続くかどうかと日経平均が陽線で終える日が多いかどうかに注意を払っておきたい。

【来週の見通し】
 堅調か。決算発表は終盤戦となるが、ソフトバンクGやメガバンクなど注目度の高い企業の発表はまだまだ多い。日本株はここまで多くの企業の本決算を確認しながら強い基調が続いており、買いが入りやすい地合いを予想する。米国では4月の消費者物価指数(CPI)や小売売上高など、注目の指標がいくつか出てくる。ただ、FOMCを消化したばかりで次回の利下げ期待も高まっていないだけに、結果に対する反応はそれほど大きくならないと思われる。日米ともに好材料には強く反応し、弱材料には耐性を示すことで、しっかりとした動きが続くだろう。

【今週を振り返る】
 堅調となった。月曜と火曜が休場で立ち合いは3日。連休明け7日の日経平均はプラス圏とマイナス圏を行き来する不安定な動きとなり、小幅に下落した。FOMCは大方の予想通り政策金利が据え置きとなり、結果を消化した米国株がプラスで終えたことから、これを受けた8日は上昇した。9日は500円を超える大幅上昇。米国と英国が貿易交渉で大枠合意に至り、米中交渉に対する期待が高まったことや、為替市場で円安(ドル高)が進行したことが支援材料となった。日経平均は週間では672円の上昇となり、週足では5週連続で陽線を形成した。
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