株式明日の戦略-38000円の節目を難なく突破、日本株を取り巻く環境は一段と良化

 13日の日経平均は大幅に4日続伸。終値は539円高の38183円。貿易協議で米国と中国に歩み寄りが見られたことから、12日の米国市場ではダウ平均が4桁の上昇。為替市場で円安(ドル高)が進んだことも支援材料となり、寄り付きから500円を超える上昇となった。

 38100円台からスタートして、38400円台までは一気に駆け上がった。38500円は超えられず、買い一巡後は上げ幅を縮小。38200円辺りでは値動きが落ち着き、10時以降は動意が乏しくなった。後場もこう着感の強い地合いが続いたが、終盤にかけてはやや上げ幅を縮小。500円を超える上昇となったものの、大引けが後場の安値となった。

 東証プライムの売買代金は概算で6兆0100億円。大きな動きが出てくる中で商いは膨らんだ。業種別では海運、医薬品、倉庫・運輸などが上昇した一方、水産・農林、建設、石油・石炭などが下落した。前期の大幅増益着地や今期の2桁営業増益計画が好感された古河電気工業<5801.T>が後場急騰。ストップ高まで買われる場面もあった。半面、今期の減収減益見通しが嫌気されたフジクラ<5803.T>が、後場に入って大きく売られた。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり734/値下がり849と、日経平均は大幅高となったものの下落銘柄は多かった。円安進行を追い風にトヨタ、日産自、三菱自など自動車株が軒並み大幅高。米中の歩み寄りを受けて、商船三井など海運株や安川電機などFA関連に見直し買いが入った。日米で長期金利が上昇したことから、三菱UFJや三井住友など銀行株が全般堅調。決算が好感された楽天銀行はストップ高となった。ほか、前期の利益が計画を上振れた三井E&Sやミマキエンジニアリングが急騰した。

 一方、アドバンテストや三菱重工は上昇して始まったものの、買いが続かずマイナス圏に沈んだ。前日に決算を材料に急落したDeNAは売りが止まらず大幅安。住友ファーマは前場では薬品株に見直し買いが入る中で大幅高となったが、後場には自身の決算が売り材料となり、5%を超える下落となった。今期の減収減益計画を提示した大成建設と大林組が大幅安となっており、同業の鹿島や清水建設も連れ安。今期は大幅な最終減益を見込むシャープが急落した。

 日経平均は大幅高。グローバル市場の懸念材料であった米中対立に対する過度な警戒が後退したことから、難なく38000円の節目を超えてきた。プライムでは値下がり銘柄が多く、そろそろ買い疲れ感が出てくるタイミングではある。ただ、米国株の動きも良くなっている上に為替も株高を後押ししており、売りを出す理由に乏しい。きょうは相場の主役になるかと思われた半導体株は案外であったが、銀行株が大きく上昇した。今の日本株は特定の銘柄や業種に依存することなく水準を切り上げているだけに、まだしばらくは強い基調が続く公算が大きい。
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