NYマーケットダイジェスト・15日 株まちまち・金利低下・円高

(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.67円(前営業日比▲1.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.97円(▲1.02円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1187ドル(△0.0012ドル)
ダウ工業株30種平均:42322.75ドル(△271.69ドル)
ナスダック総合株価指数:19112.32(▲34.49)
10年物米国債利回り:4.43%(▲0.11%)
WTI原油先物6月限:1バレル=61.62ドル(▲1.53ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3226.6ドル(△38.3ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
4月米卸売物価指数(PPI)
(前月比)   ▲0.5%      0.0%・改
(前年比)    2.4%       3.4%
食品とエネルギーを除くコア指数
(前月比)   ▲0.4%      0.4%・改
(前年比)    3.1%      4.0%・改
4月米小売売上高
(前月比)    0.1%      1.7%・改
(除く自動車)  0.1%      0.8%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。5月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や4月米小売売上高が予想を上回ると一時146.25円付近まで値を上げたものの、戻りは鈍かった。4月米卸売物価指数(PPI)が予想より弱い結果となり、米長期金利が低下したことがドル売りを誘った。23時過ぎに一時145.42円と日通し安値を更新した。来週予定されている日米貿易交渉での円安是正議論への思惑も相場の重し。
 なお、米関税措置を巡る3回目の日米交渉に向けて、赤沢経済再生相は来週後半にも訪米する方向で調整していると伝わった。
 一目均衡表転換線が位置する145.51円がサポートとして意識されると146円台前半まで下げ渋る場面もあったが、引けにかけては145円台半ばまで再び押し戻された。

・ユーロドルは小反発。4月米PPIや4月米鉱工業生産が予想より弱い内容だったことが伝わり一時1.1224ドル付近まで値を上げたものの、日本時間夕刻に付けた日通し高値1.1228ドルが目先レジスタンスとして働くと失速。2時30分過ぎには一時1.1170ドルと日通し安値を更新した。ただ、米金利低下に伴うユーロ買い・ドル売りが入ったため、下押しは限定的だった。

・ユーロ円は続落。日米交渉での円安是正議論への思惑から円買い・ユーロ売りが出たほか、ユーロドルのさえない動きが相場の重しとなった。1時30分前には162.75円と日通し安値を更新した。

・メキシコペソは軟調。ドルペソは一時19.5183ペソ、ペソ円は7.46円までペソ安に振れた。WTI原油先物価格が一時4%超下落したことを背景に産油国通貨とされるメキシコの通貨ペソに売りが出た。
 なお、メキシコ中銀はこの日、市場予想通り政策金利を現行の9.00%から8.50%へ引き下げることを決めたと発表。声明では「今後も金融政策のスタンスを継続し、同様の規模の調整を検討する可能性がある」「物価環境は利下げサイクル継続を許容」と指摘し、追加利下げの可能性を示唆した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れたことが相場の支援材料となった。なお、不正行為の疑いで米当局の捜査対象になっていると報じられたユナイテッドヘルス・グループは11%近く急落し、1銘柄でダウ平均を184ドルほど押し下げた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は7日ぶりに反落。足もとで相場上昇が続いたあとだけに利益確定目的の売りなどが出た。

・米国債券相場で長期ゾーンは大幅反発。4月米PPIが予想より弱い内容となったことを受け、債券買いが優勢となった。

・原油先物相場は続落。米・イラン核合意へとの観測が中東の緊張緩和を意識させ、同地域からの原油供給が活発化するとの期待を高めた。原油の需給改善を想定した売りが入った。

・金先物相場は反発。前日の大幅反落に続き、本日も時間外取引で3123.3ドルまで下値を広げる動きになった。しかし4月10日以来の安値水準から折り返した。米金利低下が、金利の付かない資産である金の投資妙味改善を意識させた。ドル軟化もドル建て金相場の換算値押し上げに寄与。ドル安は、ドルの代替資産とされる側面もある金の相対的な価値を高める方向にも作用し、金の支援材料となった。

(中村)
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