NYマーケットダイジェスト・23日 株安・金利低下・ドル安

(23日終値)
ドル・円相場:1ドル=142.56円(前営業日比▲1.45円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.91円(▲0.54円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1362ドル(△0.0081ドル)
ダウ工業株30種平均:41603.07ドル(▲256.02ドル)
ナスダック総合株価指数:18737.21(▲188.52)
10年物米国債利回り:4.51%(▲0.02%)
WTI原油先物7月限:1バレル=61.53ドル(△0.33ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3365.8ドル(△70.8ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
4月米新築住宅販売件数
(前月比)   10.9%     2.6%・改
(件数)   74.3万件    67.0万件・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは反発。20時30分過ぎに一時1.1375ドルと7日以来の高値を付けたものの、その後失速した。トランプ米大統領が自身のSNSに「6月1日から欧州連合(EU)に50%の関税を課すことを提案する」と投稿すると、欧米株相場が急落。欧州債利回りも低下しユーロ売りが広がった。21時過ぎに一時1.1298ドル付近まで下押しした。
 ただ、アジア時間に付けた日通し安値1.1279ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。欧米株相場の下げ渋りとともにユーロ買い戻しが進むと1.1369ドル付近まで持ち直した。なお、市場では「貿易摩擦の激化は米欧双方の経済に悪影響をもたらす。最終的には合意に至るだろう」との予想が聞かれ、比較的落ち着いた値動きとなった。英国や米国の3連休を前に大きな方向感が出にくい面もあったようだ。

・ドル円は反落。トランプ米大統領が来月からEUに関税50%の方針を示したほか、「米アップルがiPhoneを米国内で生産しなければ、少なくとも25%の関税を払うことになる」と表明すると、米国株相場が下落。リスク・オフの円買い・ドル売りが優勢となった。
 ベッセント米財務長官が「トランプ米大統領の50%関税示唆はEUのペースに対する反応」との見解を示すと、いったんは下げ渋ったものの戻りは鈍かった。NY午後に入り、対欧州・オセアニア通貨中心にドル売りが強まると、円に対してもドル売りが出て一時142.42円と7日の安値に面合わせした。
 なお、主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.05まで低下した。

・ユーロ円は3日続落。トランプ米大統領のSNS投稿をきっかけに株価が急落するとリスク回避の円買い・ユーロ売りが先行。21時過ぎに一時161.09円と日通し安値を更新した。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。ベッセント米財務長官が貿易交渉を巡り、「今後数週間で複数の大型合意が発表される」との見通しを示したほか、中国と対面での交渉再開に言及。貿易摩擦激化への警戒が和らぐと株価の下げ渋りとともにユーロ円にも買い戻しが入った。2時前には162.06円付近まで下げ幅を縮めた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落。トランプ米大統領がEUに対して50%の関税をかけると表明すると、米関税政策の不透明感が再び強まり売りが先行。寄り付き直後に500ドル超下げた。ただ、そのあとは買い戻しが優勢となり下げ幅を縮めた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。トランプ米大統領のSNS投稿をきっかけに米関税政策の不透明感が高まると、投資家のリスク回避姿勢が強まり債券買いが進んだ。なお、この日はメモリアルデーの前営業日で短縮取引だった。

・原油先物相場は4日ぶりに反発。トランプ米大統領がEUへの50%関税賦課を示唆すると、貿易摩擦の激化による経済減速への懸念から原油相場は売りで反応。しかしながら60ドル割れに失敗すると、一転して買い戻しが優勢となった。米国とイランはこの日、イランの核開発を巡る高官協議を行った。交渉が合意に至らない可能性が警戒され、3連休前ということもあり、持ち高調整の動きが強まったもよう。

・金先物相場は大幅に反発。トランプ米大統領が、EUが貿易交渉で譲歩しなければ来月から50%の関税を課すべきとの考えを示した。貿易摩擦の激化懸念が再び高まると、安全資産とされる金に資金が向かった。為替でドル安が進行したこともドル建て金の上昇を後押して、3366ドル台まで上値を伸ばし、そのまま週の高値圏で引けた。

(中村)
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