ニューヨーク外国為替市場概況・29日 ドル円、4日ぶり反落

 29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は4営業日ぶりに反落。終値は144.21円と前営業日NY終値(144.84円)と比べて63銭程度のドル安水準だった。米関税政策の先行きに関して不透明感が根強いこともあり、アジア時間に進んだドル買いの動きが巻き戻された。この日発表された米経済指標が全般にさえない結果となったことも相場の重しとなり、米長期金利の低下とともに3時過ぎには143.96円まで下押しした。
 なお、トランプ米政権は米国際貿易裁判所によるトランプ関税の一部差し止め命令に対して即日控訴。NY時間の午後には連邦巡回控訴裁判所がトランプ政権の申請を受けて、米国際貿易裁判所の差し止め命令を一時停止する判断を下したと伝わった。

 ユーロドルは3営業日ぶりに反発。終値は1.1370ドルと前営業日NY終値(1.1292ドル)と比べて0.0078ドル程度のユーロ高水準となった。全般にドルの売り戻しが強まった流れに沿って、一時1.1385ドルまで上値を伸ばした。また、NY時間にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がトランプ米大統領と会談を行ったとの報道が伝わったが、FRB議長が「政策軌道は最新のデータと見通し次第」と説明したことに対し、米大統領は「金利を引き下げないのは間違い」と従来の主張を繰り返したようだ。

 ユーロ円は4日続伸。終値は163.92円と前営業日NY終値(163.55円)と比べて37銭程度のユーロ高水準だった。ドル円の失速につれて163.35円まで売りに押される場面があったものの、ユーロドルが上昇した影響も受けたため、その後は164.03円付近まで反発。もっとも、164円台の定着に失敗すると163円台後半でのもみ合いに転じた。


本日これまでの参考レンジ
ドル円:143.96円 - 146.28円
ユーロドル:1.1210ドル - 1.1385ドル
ユーロ円:163.35円 - 164.26円

(岩間)
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