ニューヨーク外国為替市場概況・2日 ドル円、3日続落

 2日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3日続落。終値は142.71円と前営業日NY終値(144.02円)と比べて1円31銭程度のドル安水準だった。トランプ米大統領は前週末に鉄鋼・アルミニウムに課す追加関税を50%に引き上げる方針を表明したほか、「中国が米国との合意に完全に違反した」と主張し、中国に対し厳しい措置を取る可能性を示唆。貿易摩擦激化への懸念が再燃する中、主要通貨に対してドル売りが先行した。5月米ISM製造業景況指数や4月米建設支出が予想より弱い内容だったことが分かると全般ドル売りが活発化し、23時過ぎに一時142.54円と日通し安値を更新した。
 ただ、5月27日の安値142.12円がサポートとして働くと下げ渋った。一時410ドル超下落したダウ平均が上げに転じるなど、米国株相場が底堅く推移したことも相場を下支えした。レビット米ホワイトハウス報道官が「トランプ米大統領と習・中国国家主席は今週協議する可能性が高い」と明らかにすると、貿易交渉が進むとの期待からドル買い戻しを誘った面もある。なお、取引終盤には「米政府は一部の中国製品に対する関税適用停止措置を8月31日まで延長する」との一部報道が伝わった。

 ユーロドルは反発。終値は1.1441ドルと前営業日NY終値(1.1347ドル)と比べて0.0094ドル程度のユーロ高水準となった。米関税政策を巡る不透明感や米中関係が再び緊張するとの警戒感などから全般ドル売りが先行。低調な米経済指標をきっかけにドル売りが強まると23時30分過ぎに一時1.1450ドルと4月22日以来の高値を付けた。その後の下押しも1.1412ドル付近にとどまった。

 ユーロ円は小幅続落。終値は163.28円と前営業日NY終値(163.46円)と比べて18銭程度のユーロ安水準。20時30分過ぎに一時162.84円と本日安値を付けたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となり163.42円付近まで持ち直した。ドル円の下落につれた売りが出た半面、ユーロドルの上昇につれた買いが入った。米国株相場の持ち直しも相場を下支えした。

本日の参考レンジ
ドル円:142.54円 - 144.17円
ユーロドル:1.1341ドル - 1.1450ドル
ユーロ円:162.84円 - 163.62円

(中村)
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