ニューヨーク外国為替市場概況・9日 ドル円、3日ぶり反落

 9日のニューヨーク外国為替市場でドル円は3営業日ぶりに反落。終値は144.57円と前営業日NY終値(144.85円)と比べて28銭程度のドル安水準だった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.51%台まで上昇すると円売り・ドル買いが先行。22時30分前に一時144.77円付近まで値を上げた。
 ただ、アジア時間に付けた日通し高値144.95円が目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。NY連銀が公表した5月消費者調査で、1年先の期待インフレ率が3.2%と前月の3.6%から低下し、3年・5年先の期待インフレ率も前回から低下したことが分かると米10年債利回りが4.46%台まで低下。相場の重しとなった。
 そのあとはロンドンで開催されている米中貿易協議の成り行きを見極めたいとの思惑から、徐々に値動きが鈍った。なお、米中両政府は貿易協議を10日も継続する見通し。

 ユーロドルは反発。終値は1.1422ドルと前営業日NY終値(1.1397ドル)と比べて0.0025ドル程度のユーロ高水準となった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いが先行すると、22時30分前に一時1.1387ドルと日通し安値を付けたものの、前週末の安値1.1372ドルが目先サポートとして意識されると買い戻しが優勢に。米長期金利が低下に転じたことも相場を下支えし、1.1431ドル付近まで持ち直した。
 なお、ベッセント米財務長官は「米中交渉、良い話し合いができた」と述べたほか、ラトニック米商務長官は「米中で実りある協議ができた」などと話した。また、トランプ米大統領は「中国との協議は継続中。近く協議に加わる予定」と発言した。

 ユーロ円は小幅ながら3日続伸。終値は165.12円と前営業日NY終値(165.06円)と比べて6銭程度のユーロ高水準。19時30分過ぎに一時164.55円と本日安値を付けたものの、前週末の安値164.15円が目先サポートとして意識されると買い戻しが進んだ。4時前には165.21円付近まで持ち直した。

本日の参考レンジ
ドル円:143.98円 - 144.95円
ユーロドル:1.1387ドル - 1.1439ドル
ユーロ円:164.55円 - 165.23円

(中村)
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