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ロンドン為替見通し=EU米が貿易合意、相違点がユーロの重しとなる可能性も

 本日のロンドン為替市場でユーロ相場は、欧州連合(EU)と米国が貿易協定を合意したことに対する金融市場全体の反応を見極めながらの取引となりそうだ。週明けオセアニア市場ではユーロ買いが先行するも、対ドルでは1.17ドル後半で伸び悩んだ。ユーロ円は昨年7月以来の174円手前で上昇が一服するも、下押しは限られている。

 27日の米・EU首脳会談では、トランプ米大統領とフォンデアライエン欧州委員長が貿易合意を正式に発表。米国は自動車を含む大半のEU輸入品の関税を30%から15%へと引き下げる。一方で、EUは7500億ドル規模の米国産エネルギー輸入を約束し、6000億ドル超の対米直接投資を実施する見通しだ。

 今回の合意は、日本型の関税協定に類似する。ただしEUのGDP規模は日本の4倍強とされ、5500億ドルの日本の対米投資と比較するとEU側の負担は相対的に軽いとも考えられる。また、両者合わせて1兆1500億ドル(約170兆円)超の資金が米国経済にどれだけ実効性をもたらすかは不透明だ。

 週末に締結された貿易合意について、米・EU間で認識の違いが複数みられる。フォンデアライエン欧州委員長は、15%の関税率は全てを包括し、鉄鉱・アルミニウムについても引き下げられると述べた。一方、トランプ米大統領は医薬品や金属は対象外との見解をしめしている。

 見解の相違点が大きいとなれば、リスクセンチメントを抑制する要因にもなり得る。そうなると、ユーロが対ドルや対円で積極的に上値を試すことも難しくなるだろう。いずれにせよ、貿易合意に関する続報には今後も注意が必要だ。


想定レンジ
・ユーロドル、1日高値1.1829ドル
・ユーロ円、18日-22日下落幅の上方倍返し174.85円

想定レンジ下限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線1.1673ドル
・ユーロ円、25日安値172.48円


(小針)
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