ゴールデンウェイ・ジャパン
PR

株式明日の戦略-米株大幅高に微妙な反応、生成AI関連の動向を注視

 25日の日経平均は続伸。終値は174円高の42807円。22日の米国では、パウエルFRB議長の講演内容から9月の利下げが意識され、ダウ平均が800ドルを超える上昇となって史上最高値を更新。これを受けて、300円超上昇して始まった。

 すぐに節目の43000円を上回ると、一気に上げ幅を500円超に拡大。ただ、43200円台で買いが一巡し、高値は早い時間につけた。前場では値を消しても3桁高の状態はキープしたが、後場には上げ幅を2桁に縮める場面もあった。パウエル議長発言を受けて円高(ドル安)が進んだことが日本株の上値を抑えた。終盤にかけては盛り返して3桁高で終えたものの、寄り付き(42977円)は下回り、ローソク足では陰線を形成した。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆1400億円。業種別では非鉄金属、卸売、機械などが上昇した一方、倉庫・運輸、電気・ガス、空運などが下落した。米国で長期金利が大きく低下して住宅関連株に強い買いが入ったことを手がかりに、住友林業<1911.T>が急伸。半面、テルモ<4543.T>は英国企業を買収して臓器移植関連分野に参入するとのリリースが好感されず、大幅に下落している。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり780/値下がり775。高寄り後の上値追いには慎重姿勢が見られたものの、ソフトバンクGや古河電工が3%を超える上昇。ディスコ、リクルート、ニデックなどは上に値幅が出た上に、場中の動きも強かった。JX金属、三井金属、東邦亜鉛など非鉄株の多くが大幅上昇。台湾におけるサービスが好調であることを発表したメルカリが買いを集めた。

 一方、東電HDや北海道電力など電力株が全般軟調。KDDI、NTT、SBの通信大手3社がそろって下落した。米金利低下でグロース株向きの地合いになるかと思われたが、コナミG、バンナムHD、スクエニHDなどゲーム株は大きく売られるものが多かった。直近で派手に上げていた堀田丸正や京都きもの友禅が上を試した後に急失速しており、ストップ安まで売り込まれた。

 日経平均は上昇したものの、ダウ平均が史上最高値を更新した割には上値が重かった。円安にブレーキがかかってくると、国内では買いが入りづらくなる銘柄も増えてくる。米金利低下を材料にグロース系買いが盛り上がる展開に期待したいが、きょうの大型グロース株はそこまで強い動きとはならなかった。27日には米国でエヌビディアが決算発表を予定している。半導体株、電線株、ソフトバンクGなど生成AI関連は、エヌビディアの決算を消化する木曜まで手がけづらさが意識される可能性がある。大型グロース株が米金利低下を好感できない場合には、日経平均は8月19日高値43876円からの調整がもうしばらく続くとみておいた方が良い。


(山下)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。