NYマーケットダイジェスト・11日 対イラン攻撃中止で株高・原油安・ドル安

(11日終値)
ドル・円相場:1ドル=159.93円(前営業日比▲0.62円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=185.14円(▲0.05円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1578ドル(△0.0043ドル)
ダウ工業株30種平均:50848.75ドル(△929.97ドル)
ナスダック総合株価指数:25809.66(△640.16)
10年物米国債利回り:4.46%(▲0.09%)
WTI原油先物7月限:1バレル=87.71ドル(▲2.32ドル)
金先物8月限:1トロイオンス=4114.0ドル(▲19.3ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
5月米卸売物価指数(PPI)
(前月比)   1.1%      1.1%・改
(前年比)   6.5%      5.7%・改
食品とエネルギーを除くコア指数
(前月比)   0.4%      0.7%・改
(前年比)   4.9%      4.9%・改
前週分の米新規失業保険申請件数
       22.9万件      22.5万件

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは反発。トランプ米大統領が「今夜、イランに対して非常に激しい攻撃を行う」と明らかにすると、原油先物相場が上昇し、「有事のドル買い」が進行。2時30分前に一時1.1503ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、トランプ米大統領が「イランとの協議の内容が同国指導部の最高レベルに持ち込まれ、承認されたという事実に基づいて、私は今夜予定していたイランに対する攻撃を中止した」と表明すると、原油先物相場が急落。「有事のドル買い」を巻き戻す動きが広がり、4時30分過ぎに一時1.1590ドルと日通し高値を更新した。
 なお、欧州中央銀行(ECB)はこの日、市場予想通り政策金利を2.40%に引き上げることを決めたと発表。声明では「状況を緊密に監視し、データ依存かつ会合ごとに適切な金融政策姿勢を決定するアプローチ」「特定の金利経路を事前に約束しない」と表明した。
 また、ラガルドECB総裁は定例理事会後の記者会見で「経済成長の見通しに対するリスクは下振れ方向に傾いている」「0.25%の利上げ以外の提案は議論しなかった」「経済全体にわたるインフレの広がりが見られる」などと話した。

・ドル円は3日ぶりに反落。トランプ米大統領が「イランに激しく攻撃する」と自身のSNSに投稿し、「そう遠くない将来にイランの石油積み出し拠点のあるカーグ島やその他の石油関連インフラ拠点を掌握する」との考えを示すと、原油高とともにドル買いが先行。21時30分過ぎには160.59円とアジア時間に付けた日通し高値に面合わせした。
 その後しばらくは160円台半ばでのもみ合いが続いたが、NY午後に入りトランプ米大統領が予定されていた対イラン攻撃を中止し、合意間近と表明すると、原油安・株高・ドル安の様相が強まった。4時30分過ぎには一時159.58円まで値を下げた。
 なお、米株式市場ではダウ平均が一時1050ドル超上昇したほか、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比2260円高の6万6740円まで急騰した。

・ユーロ円は3日ぶりに小反落。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。185.00円を挟んだ狭いレンジ取引に終始した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅反発。トランプ米大統領が予定されていた対イラン攻撃を中止し、「合意が近い」と明らかにすると、WTI原油先物価格が急落。米長期金利も低下し、投資家心理が上向いた。半導体関連や大型ハイテク株中心に幅広い銘柄が買われ、指数は一時1050ドル超上昇する場面があった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに大幅反発した。

・米国債券相場で長期ゾーンは大幅反発。トランプ米大統領が予定されていた対イラン攻撃を中止し、合意が近いと明らかにすると、WTI原油先物価格が急落。インフレへの懸念が和らぎ、債券に買いが集まった。

・原油先物相場は反落。中東情勢の不透明感から供給状況を不安視した買いが入る場面もあった。しかしトランプ米大統領がイランへの攻撃中止を表明すると一転して急落。時間外取引でも下落が続き、85ドル台まで売られた。

・金先物相場は5日続落。中東情勢を懸念した原油高・米金利上昇を受け、金利が付かない資産である金の相対的な投資妙味後退に着目した売りが先行。しかし引けにかけ、トランプ米大統領がイラン攻撃中止を表明したことから米金利が急低下すると買い戻しが優勢に。時間外取引では4230ドル台まで上昇が進んだ。


(中村)
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