週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、賃金・物価データに注目
◆ポンド、4-6月賃金データや7月CPIの金利見通しへの影響を見極め
◆ポンド、引き続きバーナム新政権の政策運営も注視
◆加ドル、7月CPIと米政権の追加関税に注目
予想レンジ
ポンド円 213.00-217.00円
加ドル円 113.00-116.00円
8月17日週の展望
英国では、4-6月期GDPが前期比0.4%となり、国内経済が急速に悪化している状況ではないことが確認された。景気の底堅さが続けば、物価上昇と合わせて英中銀の政策判断をより難しくする。21日の8月PMI速報値や小売売上高も、こうした景気の持続力を確認する材料となる。
7月末のイングランド銀行(英中銀、BOE)政策会合では政策金利を3.75%に据え置いたものの、決定は6対3と割れ、3人が0.25ポイントの利上げを主張した。前回会合までと比べて利上げを支持する委員が増えており、エネルギー価格上昇によるインフレ再加速への警戒が強まっている。来週は4-6月の賃金データや7月消費者物価指数(CPI)の結果が注目されている。7月CPIが予想以上に上振れし、特にサービス価格など基調的な物価上昇圧力が確認されれば、利上げ期待の高まりで英金利が上昇し、ポンドを押し上げる可能性がある。
バーナム新政権の政策もポンドの下支え要因となり得る。企業のコスト負担軽減や住宅供給を通じて成長を支える方針が示されている一方、財政余力には制約がある。政策による成長押し上げが期待される一方、財政拡張や家計支援がインフレを刺激する可能性もあり、10月の予算案を見据えた財政運営は英中銀の判断にも影響する。現時点では、景気悪化を理由とする利下げよりも、インフレ動向を確認しながら据え置き、あるいは利上げの可能性を探る局面とみるのが妥当であり、ポンドはCPIの上振れに対する反応が大きくなりそうだ。
加ドルは、7月雇用統計の強さを受けたカナダ経済の底堅さと、米加通商交渉の行方の綱引きとなる。7月の新規雇用者数は7万5100人増と市場予想を大幅に上回り、失業率も6.4%へ低下した。国内景気の改善は加ドルを支える材料であり、原油価格の高止まりも資源国通貨としての加ドルには追い風となる。一方、賃金上昇率は鈍化しており、雇用の強さだけでカナダ中銀(BOC)の利上げ観測が急速に高まる状況ではない。来週は7月CPIの発表が予定されている。
加ドルにとって最大のリスクは、19日に予定される米国の対カナダ追加関税だろう。米国は幅広いカナダ製品への50%関税を示しており、両国は発動回避に向けて交渉を続けている。12日には米国側から関税引き下げを含む提案が示されたものの、カナダ側は内容に不満を持っていると報じられた。交渉関連の報道が経済指標以上に加ドルを動かすことになりそうだ。合意への期待が高まれば加ドル買いが強まりやすい反面、交渉決裂や関税発動への警戒が強まれば、雇用統計の好結果を打ち消して加ドル売りに傾く可能性がある。
8月10日週の回顧
対円では追加の円買い介入警戒感が上値を抑えるも、円の先安観が根強いなか、ポンド円は215円前半、加ドル円は114円半ばまで切り返した。対ドルでは大きな手掛かりが乏しかったこともあり、ポンドドルは1.35ドルを挟んだ狭いレンジ内で推移し、ドル/加ドルは1.39加ドル前半でもみ合い相場となった。(了)
(執筆:8月14日、9:00)
◆ポンド、引き続きバーナム新政権の政策運営も注視
◆加ドル、7月CPIと米政権の追加関税に注目
予想レンジ
ポンド円 213.00-217.00円
加ドル円 113.00-116.00円
8月17日週の展望
英国では、4-6月期GDPが前期比0.4%となり、国内経済が急速に悪化している状況ではないことが確認された。景気の底堅さが続けば、物価上昇と合わせて英中銀の政策判断をより難しくする。21日の8月PMI速報値や小売売上高も、こうした景気の持続力を確認する材料となる。
7月末のイングランド銀行(英中銀、BOE)政策会合では政策金利を3.75%に据え置いたものの、決定は6対3と割れ、3人が0.25ポイントの利上げを主張した。前回会合までと比べて利上げを支持する委員が増えており、エネルギー価格上昇によるインフレ再加速への警戒が強まっている。来週は4-6月の賃金データや7月消費者物価指数(CPI)の結果が注目されている。7月CPIが予想以上に上振れし、特にサービス価格など基調的な物価上昇圧力が確認されれば、利上げ期待の高まりで英金利が上昇し、ポンドを押し上げる可能性がある。
バーナム新政権の政策もポンドの下支え要因となり得る。企業のコスト負担軽減や住宅供給を通じて成長を支える方針が示されている一方、財政余力には制約がある。政策による成長押し上げが期待される一方、財政拡張や家計支援がインフレを刺激する可能性もあり、10月の予算案を見据えた財政運営は英中銀の判断にも影響する。現時点では、景気悪化を理由とする利下げよりも、インフレ動向を確認しながら据え置き、あるいは利上げの可能性を探る局面とみるのが妥当であり、ポンドはCPIの上振れに対する反応が大きくなりそうだ。
加ドルは、7月雇用統計の強さを受けたカナダ経済の底堅さと、米加通商交渉の行方の綱引きとなる。7月の新規雇用者数は7万5100人増と市場予想を大幅に上回り、失業率も6.4%へ低下した。国内景気の改善は加ドルを支える材料であり、原油価格の高止まりも資源国通貨としての加ドルには追い風となる。一方、賃金上昇率は鈍化しており、雇用の強さだけでカナダ中銀(BOC)の利上げ観測が急速に高まる状況ではない。来週は7月CPIの発表が予定されている。
加ドルにとって最大のリスクは、19日に予定される米国の対カナダ追加関税だろう。米国は幅広いカナダ製品への50%関税を示しており、両国は発動回避に向けて交渉を続けている。12日には米国側から関税引き下げを含む提案が示されたものの、カナダ側は内容に不満を持っていると報じられた。交渉関連の報道が経済指標以上に加ドルを動かすことになりそうだ。合意への期待が高まれば加ドル買いが強まりやすい反面、交渉決裂や関税発動への警戒が強まれば、雇用統計の好結果を打ち消して加ドル売りに傾く可能性がある。
8月10日週の回顧
対円では追加の円買い介入警戒感が上値を抑えるも、円の先安観が根強いなか、ポンド円は215円前半、加ドル円は114円半ばまで切り返した。対ドルでは大きな手掛かりが乏しかったこともあり、ポンドドルは1.35ドルを挟んだ狭いレンジ内で推移し、ドル/加ドルは1.39加ドル前半でもみ合い相場となった。(了)
(執筆:8月14日、9:00)