ロンドン為替見通し=ユーロドル、複数の重石を抱えながらの展開に

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、複数の重石を抱えながらの展開になりそうだ。先週末の欧州債売りは、利上げ観測の反映ならユーロ買いを誘うが、財政懸念が理由なら逆にユーロの重しとなる。加えて、欧州を覆う猛暑が経済成長の足かせとなりつつあり、中東情勢の緊迫化も続いている。

 先週末に売られた欧州債の背景には、複数の要因が絡んでいる。ロイター調査では、欧州中央銀行(ECB)が9月に0.25%利上げに動くとの予想が8割を上回った。ユーロ圏7月インフレ率も2.9%と目標を上回っており、これが意識されている。

 一方でフランスは、政府債務がGDP比118%に達し、上期の利払い費は前年比19%増の345億ユーロに膨らんだ。財政悪化は鮮明で、10年債利回りは4%を超える。ドイツも財政拡大で国債供給が増え、超長期金利まで上げ幅を拡大した。欧州長期金利の上昇は政策金利の織り込みだけでは説明しきれず、財政・需給要因も絡む。ユーロへの影響は一様ではないだろう。

 その欧州では、記録的な猛暑が景気の重しとなりつつある。エコノミストらは、今夏の熱波による経済損失が数千億ユーロ規模に達すると推計。南欧では観光収入減や農作物の不作、人口流出のリスクも指摘される。独保険大手は、生産減少に伴う税収の落ち込みがフランスで最大1.8%、イタリア・スペインで最大1.3%に達しかねないと分析した。

 加えてベルギーでは史上最大規模の山火事が発生し、すでに3000ヘクタールを焼失。ドイツ国境方面へも延焼が広がっている。景気とインフレの双方に影響が及ぶだけに、ECBにとっても金融政策運営の難易度が増している。

 中東情勢では、ホルムズ海峡の通航が週末に実質停止し、15日は5隻、16日はゼロとなった。アラグチ・イラン外相が和平協議再開の可否を「まだ決定していない」と述べる中、WSJ紙はイラン強硬派が長期戦を見据え軍備増強を進めていると報じており、外交的な行き詰まりが一段と鮮明になっている。トランプ政権もイランへの経済圧力強化を検討中で、原油相場を通じ金融市場の不安定要素になりやすい。

想定レンジ上限
・ユーロドル、6月4日高値1.1645ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、13日安値1.1512ドル

(小針)
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