週間為替展望(豪ドル/ZAR)-オセアニア通貨、利上げ意識し堅調

◆豪ドル、基調インフレ高止まりで堅調
◆NZドル、9月MPCでは利上げ予想
◆ZAR、プラチナ価格はじめ貴金属価格の上昇が支えに

予想レンジ
豪ドル円 113.50-116.00円
南ア・ランド円 9.80-10.30円

8月31日週の展望
 豪ドルは底堅い推移を辿りそうだ。26日に発表された7月月次消費者物価指数(CPI)は前年比3.5%となり、市場予想を上振れた。なかでも豪州準備銀行(RBA)が最重視するトリム平均値は前年比3.6%と前月から横ばいで推移し、基調的なインフレ圧力が全く低下していない実態が浮き彫りとなった。これにより、市場ではRBAの追加利上げ観測が再び意識される形となり、これまで燻っていた豪ドル売りの材料が一つ後退した格好だ。もっとも、7月の失業率は4.5%へと上昇しており、労働市場の明確な減速感も同時に突きつけられている。インフレの高止まりと景気・雇用市場の減速に挟まれたRBAの決定は極めて難しい局面に直面していると言える。したがって、現在の市場における受け止めは「豪ドルを無条件で積極的に買い上げる」というよりは、「利上げ論が再び意識されることで豪ドルの下値が切り上がりやすい」と捉えるのが自然だ。

 来週は9月1日に4-6月期経常収支、9月2日に4-6月期国内総生産(GDP)、9月3日に7月貿易収支と、国内経済の実態を測る主要な経済指標の発表が相次ぐ。なかでも最注目はGDPであり、CPIの高止まりに続いて経済成長の粘り強さが確認されれば、RBAによる追加利上げ観測を一段と強める公算が大きい。さらに9月3日にはジョーンズRBA総裁補佐の発言機会も予定されており、市場のタカ派的な思惑をどこまで牽制、あるいは補強するかが焦点となる。

 NZドルはしっかりとした推移が予想される。9月2日にはニュージーランド準備銀行(RBNZ)の金融政策委員会(MPC)による政策金利の発表が予定されている。市場では、政策金利を25bp利上げし、2.75%に引き上げるとの見方が大勢を占める。インフレ圧力を抑制するためにタカ派を維持する姿勢が示されれば、NZドルの下値を強固に支える材料となる公算が大きい。RBAも利上げ議論を強めていることから、オセアニア2通貨が揃って引き締め方向を意識させる展開となる可能性も高い。

 南アフリカ・ランド(ZAR)は底固い展開となるだろう。米国や日本における中長期的な財政不安を背景に、世界的な安全資産需要や実物資産へのシフトが強まっている。この流れを受けて、南アが世界最大の生産量を誇るプラチナや金などの貴金属価格はここ数ヶ月にわたり上昇傾向を辿っており、資源国通貨であるZARにとって強力な追い風として機能する公算が大きい。なお、来週は31日に7月貿易収支、9月2日に7-9月期BER企業信頼感指数が発表される。

8月24日週の回顧
 豪ドルは対ドル、対円ともに堅調な動きになった。豪州の月次インフレ率が予想を上振れたこともあり、対円では6月上旬以来となる114円後半まで上値を広げた。対ドルでは値幅は限られたが一時5月下旬以来となる0.72ドル手前まで強含んだ。ZARは強含み。米国の財政不安などで貴金属価格の上昇が支えになった。対円では先月上旬以来の10円台に乗せ、対ドルでも2月以来の15.90ランド台までZAR買いが進んだ。(了)

(執筆:8月28日、9:00)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。