週間為替展望(ドル/ユーロ)-ドル円、金融政策スタンスの違い意識

◆ドル円、日米金融政策スタンスの違いから底堅い
◆ドル円、米雇用統計はじめ米重要指標相次ぐ
◆ユーロドル、ドル買い圧力から上値重い

予想レンジ
ドル円   157.00-162.00円
ユーロドル 1.1150-1.1500ドル

9月28日週の展望
 来週のドル円相場は、日米の金融政策における明確な方向性の違いがあらためて強く意識されるなか、緊迫化する中東情勢に伴う原油価格の上昇懸念も重なり、基本的には円安・ドル高基調が継続する展開が見込まれる。先日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、事前の慎重な見方に反して追加利上げを示唆するタカ派的な見解が提示された一方、日銀金融政策決定会合では追加利上げに対して非常に慎重な姿勢が強調された。この明確な日米金融スタンスの格差が浮き彫りとなったことは、ドル円相場を強力に下支えする主因となるだろう。

 加えて、足元で一層の高まりを見せる地政学リスクにも細心の注意が必要だ。中東情勢を巡っては、「米国による再攻撃が行われた場合、戦闘領域がインド洋まで拡大する可能性がある」とイラン側が表明するなど、緊迫化の度合いが段違いに高まっている。こうした地政学リスクに端を発する原油価格の急騰は、米国のインフレ再燃懸念を通じて米長期金利に強い上昇圧力をかけることになる。結果として有事のドル買い需要を刺激するとともに、日米金利差に着目したドル高の様相を一段と濃くさせるシナリオが強く警戒される。

 経済指標では、週末に控える9月米雇用統計をはじめとする米国の重要指標が目白押しとなる。FRBによる金融引き締め長期化の妥当性を確認する局面において、これらの結果が市場想定を上回った場合、米国の追加利上げ観測が一段と高まる可能性があり、ドルが上昇幅を拡大するリスクには十分な警戒が必要だ。ドル円が上値を試した場合に注意すべきは政府・日銀による為替介入だが、18日に日銀によるレートチェックで急落したものの効果は一時的だった。「直近高値水準である164円を超えてこない限り、為替介入は実施しづらい」との声も聞かれているなか、急落には注意しつつも上値を試す動きとなる可能性は高そうだ。

 なお、来週は9月末かつ四半期末という重要な節目に当たるため、機関投資家によるポジション調整やリバランスに伴う特殊なフローが突発的に発生しやすい。ファンダメンタルズ面でのドル高地合いが堅調に推移する一方で、一時的な需給の偏りによる急変には留意したい。

 ユーロドルは、米追加利上げ期待や原油高を背景としたドル先高観が重石となり、上値の重い展開が予想される。相場動向は連日の米重要指標を受けた米金利の動きに大きく左右されることになりそうだ。ドル円と同様に四半期末週を迎えることから、特に日本時間24時(午前0時)のロンドンフィキシングに向けた需給偏重のフローによる急変動にも警戒が必要となる。欧州側の景気減速懸念もくすぶるなか、戻りの鈍い下値模索の展開を余儀なくされるだろう。

9月21日週の回顧
 ドル円は、米利上げ期待や原油高に伴う米長期金利の上昇を背景に週明けから買いが強まった。多少の下押しを繰り返しながらも週末にかけて159.04円まで上値を伸ばしている。ユーロドルは軟調。ドルが全面高となった流れに沿って一時1.1359ドルと7月28日以来の安値を付けた。(了)
(執筆:9月25日、9:00)

(松井)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。