トランプ経済シナリオの誤算、米WSJ報道から
米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙は、トランプ大統領が第2期目の就任時に描いたシナリオが崩れていることを指摘している。「財政規律を示して米連邦準備理事会(FRB)には手を出さず、規制緩和で経済を活性化すれば、長期金利は自然と下がる」、というシンプルな目論見だった。しかし政権発足から約20カ月、10年債利回りは2007年以来の高水準に達し、インフレは再燃し、FRBは2023年以来初の利上げに踏み切った。その読みは、ことごとく外れた。
同紙が挙げる狂いの原因は主に3つだ。まず関税が輸入品のコストを押し上げた。次にイランとの戦争がガソリン・軽油価格を急騰させ、食料や物流を通じてあらゆる物価に波及した。さらにAI投資ブームが設備・電力・資材の需要を急増させ、米政府と民間が借り入れ市場で競合する構図が生まれた。「6つの政策すべてがインフレを上げる方向に働く。下げる方向ではない」と元共和党高官は同紙に語っている。
代償は数字に表れている。住宅ローン金利は7%超となり、財政赤字はGDP比6%近くで高止まり、政府の利払い費は初めて1兆ドルを超え、国防費を上回った。財務省による長期債買い戻しは市場に見透かされ、金利は一時低下後すぐに反発した。「戦争が終われば」というシナリオを市場はすでに織り込んでいない。構造的な財政問題に手を付けないまま、問題を先送りできる余地は、もう多くない。
(小針)
同紙が挙げる狂いの原因は主に3つだ。まず関税が輸入品のコストを押し上げた。次にイランとの戦争がガソリン・軽油価格を急騰させ、食料や物流を通じてあらゆる物価に波及した。さらにAI投資ブームが設備・電力・資材の需要を急増させ、米政府と民間が借り入れ市場で競合する構図が生まれた。「6つの政策すべてがインフレを上げる方向に働く。下げる方向ではない」と元共和党高官は同紙に語っている。
代償は数字に表れている。住宅ローン金利は7%超となり、財政赤字はGDP比6%近くで高止まり、政府の利払い費は初めて1兆ドルを超え、国防費を上回った。財務省による長期債買い戻しは市場に見透かされ、金利は一時低下後すぐに反発した。「戦争が終われば」というシナリオを市場はすでに織り込んでいない。構造的な財政問題に手を付けないまま、問題を先送りできる余地は、もう多くない。
(小針)
