東京為替見通し=ドル円、強弱材料を見極める展開か 豪では金融政策発表も

 28日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、イラン情勢に伴う原油高のほか、米10年債利回りが一時5.2719%前後と2007年6月以来の高水準を記録してドル買いが優勢となり、157.58円付近まで持ち直した。ただ、足もとでの日米要人による円安けん制発言や、中東懸念の和らぎによる原油価格の失速や、それにともなう米長期金利の低下が重しとなり、上値は限られた。ユーロドルは7月28日以来となる1.1353ドルまで下落したが、月末・四半期末が近づく中、ロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだユーロ買いにより1.1388ドル付近まで下げ渋った。

 本日の東京市場のドル円は、強弱材料入り混じる中、方向感を探る展開となりそうだ。

 昨日の欧州時間、三村財務官が為替について「円の過小評価は問題とする意向を日米両政府が共有したメッセージは非常にクリア」との認識を示したことが伝わり、介入警戒感が強まると円買いが活発化。ドル円は156.51円まで急落した。前週末にトランプ米大統領が日米首脳会談で円安に対して懸念を示していたことが明らかになったことなどと合わせ、日米で円安けん制の姿勢が示された格好だ。本日も引き続き関係者の発言に注意したい。

 ただ、昨日は売り一巡後に米10年債利回りが一時5.27%台と2007年6月以来の高水準を付けると全般ドル買いが優勢となり、157円台を回復するなど、下げたところでは買い意欲も見られた。

 今月の日米の金融政策会合にて、米連邦準備制度理事会(FRB)は追加利上げ姿勢を示した一方で日銀はタカ派になり切れなかったことで、金利が上昇する局面では日米の金融政策スタンスの違いが意識されやすく、ドル買いに作用するとみられる。米長期金利の動向から目が離せない展開が続きそうだ。

 長期金利の動向を左右する一因としては原油相場の動向がある。これまでは中東情勢が緊迫化した場面や、米・イランの和平協議への進展期待が後退する場面では原油価格が上昇し、インフレ懸念から米長期金利が上昇した。

 しかし、昨日一部報道で「トランプ米大統領はイランの核問題の進展に向け、対イラン制裁の緩和と凍結資産の解放に前向き」「イランは米国の制裁緩和と引き換えにウラン濃縮の中止に同意」などと相次いで伝えられると、欧州時間に96ドル台半ばまで上昇していたWTI原油先物価格は91ドル台前半に急落している。米・イランの和平協議が実現してホルムズ海峡が開放されれば、原油価格が下落してインフレ懸念の後退につながることが予想される。もっとも、両国から公式な声明が出ていないことや、これまで何度も協議の進展と後退を繰り返してきたことを踏まえると、報道だけで過度に期待することは禁物だろう。協議の進展度合いを見極める必要がある。

 そのほか、四半期末・半期末が近づいていることもあり、仲値公示などでの実需主導のフローには引き続き警戒しておきたい。

 他方、オーストラリアで金融政策の発表が予定されている。市場予想は0.25%利上げがコンセンサスとなっている。既に利上げが織り込まれていることから、市場の関心は声明文で今後の追加利上げについての言及があるかに集まっている。そのため、仮に市場予想通り利上げとなったとしても、声明文やその後のブロック豪準備銀行(RBA)総裁の会見内容次第で豪ドルの振幅が大きくなる恐れがある点に注意したい。

(川畑)
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