週間為替展望(ポンド/加ドル)-ポンド、英金利上昇は両刃の材料

◆ポンド、BOE利上げ期待の高まりを見極め
◆ポンド、英長期金利の上昇は両刃の材料
◆加ドル、政府の対米依存低下を目指す政策は下支え

予想レンジ
ポンド円 206.50-211.00円
加ドル円 109.50-112.50円

10月12日週の展望
 来週のポンドは、イングランド銀行(英中銀、BOE)の追加利上げ観測と長期金利上昇が支えとなる一方、英国財政への警戒が上値を抑える展開となりそうだ。英国では8月CPIが前年比3.1%と7月の2.9%から上昇し、物価目標の2%を大きく上回っている。コアCPIは2.6%で横ばい、サービス価格も3.4%と基調的なインフレ圧力には鈍化がみられるものの、原油高による二次的な物価上昇への警戒は残る。

 こうしたなか、BOEのマン金融政策委員は高インフレが英国経済に定着するリスクを指摘し、「2027年初めの賃金交渉を通じて物価上昇がさらに長期化する可能性」に言及。ベイリーBOE総裁は「金融政策にインフレ率を目標水準へ戻すための揺るぎないコミットメントが必要」との見解を示した。市場では11月会合で0.25%の利上げを見込む確率が8割程度まで上昇しており、これまでの「利下げ」中心の見方から、据え置きまたは利上げを見極める局面へと軸足が移っている。

 一方、英国の長期金利上昇はポンドにとって両刃の材料である。英30年債利回りは6%を超え、1998年以来の高水準に達している。金利上昇がBOEの引き締め観測を強める間はポンドを支えるものの、財政への懸念から国債が売られている側面もあり、金利上昇が無条件にポンド買いへつながるわけではない。28日の予算案を控え、財政運営への警戒が強まれば、ポンドの上値を抑える可能性がある。

 来週は15日に8月GDP、鉱工業生産、製造業生産、貿易収支が発表される。7月の月次GDPは前月比0.4%増と比較的堅調だっただけに、8月も景気の底堅さが確認されれば、BOEの追加利上げ観測を強めやすい。逆に生産やGDPが弱ければ、金利上昇による景気下押しへの懸念が強まり、ポンドの上値を抑える材料となろう。

 加ドルは、9日発表の9月雇用統計が週初から相場を左右する。労働市場の弱さが9月も続くかが焦点となる。また、米加貿易摩擦が加ドルの重しとして残る。8月のカナダ貿易収支は米国向け輸出の前倒しなどから42億加ドルの黒字となったが、米国の関税措置を背景に9月以降の輸出環境には不透明感が強い。

 カナダの製造業PMIは9月に51.5と拡大を維持したものの6カ月ぶりの低水準となり、サービス業PMIは48.3と4カ月連続で50を下回った。通商摩擦が国内景気を圧迫していることがうかがえる。米国との貿易摩擦が続く一方、カナダ政府は対米依存の低下を目指してエネルギー輸出先の多角化を進めており、パイプライン計画の推進など中長期的な資源投資は加ドルの下支え要因となる。

10月5日週の回顧
 米長期金利の上昇傾向が続く中、全般ドルが底堅い動きとなるも、ポンドドルは1.31ドル後半で下げ渋り、ドル/加ドルは1.42加ドル台を中心に値動きは限られた。円相場の方向感が鈍かったこともあり、ポンド円は209円、加ドル円は111円を挟んだ限られたレンジで振幅した。(了)
(執筆:10月9日、9:00)

(松井)
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