ロンドン為替見通し=ユーロ、仏暴動で財政不安が再燃か 織り込み済との見方も

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、フランス国内の混乱が金融市場にどこまで及ぶかを見極める展開となりそうだ。生活費の上昇や教育予算の削減に抗議する週末のデモは、各地で暴動に発展した。政府が財政再建と社会不安の沈静化を両立できるのか、市場の疑念は強まりやすい。なお、20日には2027年予算案第1部の採決を控えている。

 18日夜にテレビ演説を行ったマクロン仏大統領は暴力を非難したが、具体的な収拾策には踏み込まなかった。ルコルニュ仏首相は暴徒を組織化された極左集団と断じ、急進左派「不服従のフランス(LFI)」を率いるメランション氏と非難の応酬を続けている。大統領選で先行する極右政党「国民連合(RN)」のルペン氏は政権の「無力さ」を突き、支持を広げた。

 仏政府は2027年予算で540億ユーロの歳出削減を掲げる。ただ、削減を貫けば反発が強まり、譲歩すれば赤字縮小が遠のく。予算審議の行方は、そのまま仏国債の評価に跳ね返りそうだ。

 仏国債市場はもともと神経質だ。独仏10年債の利回り格差は10月初めに約160bpまで広がった。16日には仏10年債利回りが4.76%まで低下したが、世界的な株安を受けた債券買いが主因で、政治リスクが和らいだわけではない。23日にはムーディーズによる仏格付けの見直しも控える。

 仏予算審議が滞るとの見方が広がれば、独債利回りとの格差は再び開いてユーロの重しとなりそうだ。ただ、利回り格差はすでに高く、暴動による上乗せ分は一部織り込み済みとの見方もできる。週明けにフランスの騒乱が落ち着けば、ユーロは底堅さを取り戻すかもしれない。

 原油相場にも目を配っておきたい。18日にはホルムズ海峡でタンカーが機雷に触れて爆発したとイラン側が伝えたが、週明けはトランプ米大統領がロシア産エネルギーへの制裁と関税を見送ったことが材料視され、調整売りが先行している。プーチン露大統領は米中ロ首脳会談を持ちかけており、ロシアを巡る駆け引き次第で、原油は上にも下にも振れやすい。

想定レンジ上限
・ユーロドル、2日高値1.1285ドルを超えると1日高値1.1337ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、15日安値1.1151ドルを割り込むと14日安値1.1113ドル


(小針)
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