ロンドン為替見通し=ユーロ、EU首脳会議と仏国債をにらんだ動き 原油続伸が逆風に

 本日のロンドン為替市場でユーロドルは、ブリュッセルで最終日を迎える欧州連合(EU)首脳会議の行方をにらむ展開となりそうだ。原油先物が続伸するなか、会議ではエネルギー高への対応も主要議題に挙がる。仏国債利回りの高止まりが続くだけに、各国の財政出動の余地を巡る議論には市場も神経をとがらせている。物価対策と財政規律の両立が問われる局面で、ユーロは積極的に買い進みにくいか。

 15日の初日の討議では、イタリアとギリシャが、エネルギー価格を抑える限定的な措置を取れるようEUの財政ルールの緩和を求めた。財政規律を重んじる国々は、すでに大きい赤字がさらに膨らみ、市場の動揺を招きかねないと反発している。

 2028-34年の中期予算でも、議長国アイルランドの妥協案は支持を得られず、コスタ大統領が11月26日の会合までに新たな案をまとめることになった。本日はゼレンスキー・ウクライナ大統領が合流し、ロシアの凍結資産を活用した同国への融資も議題に上る。

 仏国債を巡っては、ムーラン仏中銀総裁が15日、足もとの利回り上昇は財政状況の変化ではなく政治の不透明感によるものだとし、2029年に赤字をGDP比3%まで戻すことは可能だと述べた。ただ、分断された国民議会で2027年予算がすんなり成立する保証はない。

 20日には予算案第1部の採決、23日にはムーディーズによる仏格付けの見直しが控える。EU内で財政ルールを緩める議論が勢いを増せば、市場の目は財政余力の乏しいフランスに向かいやすく、独仏利回り格差が再び広がってユーロの上値を抑えかねない。

 原油相場も気掛かりだ。フーシ派とサウジアラビアの交戦が続くうえ、ホルムズ海峡でイラン革命防衛隊がコンテナ船を沈没させたと伝わり、供給不安が一段と強まった。燃料価格の上昇はユーロ圏の物価を押し上げる半面、輸入に頼る域内経済の体力を削ぐ。首脳会議でエネルギー対策の具体策が示されなければ、原油高はユーロの戻りを鈍らせる要因として残りそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドル、2日高値1.1285ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、15日安値1.1151ドル


(小針)
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