東京為替見通し=介入警戒感がドルの重し、日米首脳会談での新たな財政負担には要警戒
昨日の海外市場でドル円は、政府・日銀による為替介入への警戒感から、日本が祝日で休場だったアジア時間には一時156.58円まで下落したものの、欧米市場に入ると円売り・ドル買いがじわりと強まった。一時157.53円まで強含んだ。ユーロドルは1.1462ドルまで弱含んだ。独政局の先行き不透明を背景にユーロ売り・ドル買いが出やすい面もあったようだ。
本日のアジア市場のドル円も、強いドル買いセンチメントが支えとなるものの、本邦通貨当局による介入への警戒感から上値も限られ、もみ合いとなりそうだ。
昨日のNY市場では、原油先物価格が大幅に低下し、米債利回りも連れて低下したにもかかわらず、ドル買いセンチメントは強かった。7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降低下していた、主要な複数の外国通貨に対する米ドルの総合的な価値・強さを示すドル・インデックスは、先週のFOMC以降、回復傾向にある。また、ドイツではメルツ首相が党首を務める中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)が州議会選で大敗したこともあり、ユーロ安・ドル高が進んでいる。ドル円もこうした動きを受け、底堅い展開が続いている。
さらに円安要因としては、本日予定されている日米首脳会談で、トランプ米大統領が高市首相に対し、国防費の積み増しや、エネルギー安全保障の恩恵を最も受けている主要国として相応の貢献を果たすよう要求し、日本の財政がさらに拡大するリスクなども挙げられる。
ただ、このようにドル買いセンチメントが強いにもかかわらず、ドル円は157円後半では先週レートチェックが行われた水準でもあることから、さらに上値を追って買い上げるにはリスクが高いだろう。
介入への警戒感が高まっている背景には、ベッセント米財務長官が、日銀の利上げを前提条件とした協調為替介入に同意している節があることも挙げられる。7月末に行われた協調介入では、本邦の介入資金が米債売りを引き起こさないよう、FIMAレポファシリティーが導入された。さらに、ベッセント氏は5月の訪日時、高市首相を交えた会談で、日本側が米国の要求を誤った認識で捉えていたことに激怒したとされている。そのため、8月末のG20期間中に行われた片山財務相と植田日銀総裁との会合では、財務相と総裁に対し、米国側の要望(日銀の利上げなど)を厳しく伝えたとされている。
こうした経緯を踏まえると、これまでとは介入の条件が異なり、米国側も円安を阻止する強い姿勢で臨むことが予想される。今年前半のように160円まで円安を放置するようなスムージングのオペレーションと考えるのは難しいだろう。
さらに、今回の日銀金融政策決定会合では、高市首相が任命したリフレ派の委員2人(浅田氏・佐藤氏)が利上げに反対した。ベッセント氏はG20後の記者会見で、明確に日本はその成果を享受する段階に移行し、「リフレ政策を止めるべきだ」と踏み込んだ発言をしている。高市政権としてはリフレ政策を推進したいものの、米国の意向もくまなければならない。来年7月までに新たに指名される委員についても、リフレ派の委員を選べば米国が反対し、さまざまな政策への悪影響も考えられることから、リフレ派の委員を選択することも難しくなるだろう。
なお、本日は国内市場が休日で休場となるほか、アジア・オセアニアからも主だった経済指標の発表は予定されていない。ただ、ブロックRBA(豪準備銀行)総裁が日本時間正午過ぎに対談を行う予定となっていることで、豪ドルが動意づく可能性はありそうだ。
(松井)
本日のアジア市場のドル円も、強いドル買いセンチメントが支えとなるものの、本邦通貨当局による介入への警戒感から上値も限られ、もみ合いとなりそうだ。
昨日のNY市場では、原油先物価格が大幅に低下し、米債利回りも連れて低下したにもかかわらず、ドル買いセンチメントは強かった。7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降低下していた、主要な複数の外国通貨に対する米ドルの総合的な価値・強さを示すドル・インデックスは、先週のFOMC以降、回復傾向にある。また、ドイツではメルツ首相が党首を務める中道右派のキリスト教民主同盟(CDU)が州議会選で大敗したこともあり、ユーロ安・ドル高が進んでいる。ドル円もこうした動きを受け、底堅い展開が続いている。
さらに円安要因としては、本日予定されている日米首脳会談で、トランプ米大統領が高市首相に対し、国防費の積み増しや、エネルギー安全保障の恩恵を最も受けている主要国として相応の貢献を果たすよう要求し、日本の財政がさらに拡大するリスクなども挙げられる。
ただ、このようにドル買いセンチメントが強いにもかかわらず、ドル円は157円後半では先週レートチェックが行われた水準でもあることから、さらに上値を追って買い上げるにはリスクが高いだろう。
介入への警戒感が高まっている背景には、ベッセント米財務長官が、日銀の利上げを前提条件とした協調為替介入に同意している節があることも挙げられる。7月末に行われた協調介入では、本邦の介入資金が米債売りを引き起こさないよう、FIMAレポファシリティーが導入された。さらに、ベッセント氏は5月の訪日時、高市首相を交えた会談で、日本側が米国の要求を誤った認識で捉えていたことに激怒したとされている。そのため、8月末のG20期間中に行われた片山財務相と植田日銀総裁との会合では、財務相と総裁に対し、米国側の要望(日銀の利上げなど)を厳しく伝えたとされている。
こうした経緯を踏まえると、これまでとは介入の条件が異なり、米国側も円安を阻止する強い姿勢で臨むことが予想される。今年前半のように160円まで円安を放置するようなスムージングのオペレーションと考えるのは難しいだろう。
さらに、今回の日銀金融政策決定会合では、高市首相が任命したリフレ派の委員2人(浅田氏・佐藤氏)が利上げに反対した。ベッセント氏はG20後の記者会見で、明確に日本はその成果を享受する段階に移行し、「リフレ政策を止めるべきだ」と踏み込んだ発言をしている。高市政権としてはリフレ政策を推進したいものの、米国の意向もくまなければならない。来年7月までに新たに指名される委員についても、リフレ派の委員を選べば米国が反対し、さまざまな政策への悪影響も考えられることから、リフレ派の委員を選択することも難しくなるだろう。
なお、本日は国内市場が休日で休場となるほか、アジア・オセアニアからも主だった経済指標の発表は予定されていない。ただ、ブロックRBA(豪準備銀行)総裁が日本時間正午過ぎに対談を行う予定となっていることで、豪ドルが動意づく可能性はありそうだ。
(松井)
