東京為替見通し=ドル円、日米通貨同盟による円買い介入の可能性に要警戒か

 31日のニューヨーク外国為替市場のドル円は、ベッセント米財務長官が「日本政府と日銀は、円高につながるような行動を見せるだろう」と述べたことなどで159.61円付近まで下押しした。ユーロドルは、月末のロンドンフィキシングに絡んだドル売りのフローで1.1621ドルまで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、日米財務相会談での日米通貨同盟の再確認、すなわち、7月末に実施した日米協調円買い介入のフォローアップとしての円買い介入第2弾に警戒していく展開が予想される。

 ベッセント米財務長官は、昨日「日本政府と日銀が円高につながる措置を講じると確信している。私は市場が持っていない情報を持っている」と意味深な発言をしており、G20財務相・中央銀行総裁会議での片山財務相や植田日銀総裁との会談に要注目となる。

 7月31日に実施された日米協調円買い介入では、本邦通貨当局は7月30日、31日、そして8月3日に過去最大規模のドル売り・円買い介入(15兆3993億円)を行い、ドル円は30日の高値163.74円から3日の安値155.23円まで下落した。しかし、イラン情勢への警戒感による原油価格の上昇や高市政権の財政政策への警戒感、さらに、ウォーシュFRB議長によるタカ派発言を受けて、160円台を回復している。
 ユーロ円も、米国財務省によるユーロ売り・円買い介入で、187円台から179円台まで下落したものの、186円前後まで反発している。

 ベッセント米財務長官は、片山財務相との会談で、日米協調円買い介入第2弾を目論んで、160円台の防戦ラインを確認するのか、そして、植田日銀総裁との会談で9月日銀金融政策決定会合での「正しい判断」としての利上げを要請するのか、日米通貨・金融当局からの発言に警戒しておきたい。

 また、トランプ米大統領やベッセント米財務長官による米連邦準備理事会(FRB)への利下げ要請にも関わらず、ウォーシュFRB議長はインフレ高進への警戒感から利上げの可能性を示唆しており、発言機会があれば要注目となる。
 トランプ米大統領は、「金利は高すぎる。ウォーシュFRB議長を大変尊敬しており、金利に関してやるべきことをやるだろう」と述べている。

 1998年6月の日米協調ドル売り・円買い介入では、ドル円は144円台から136.03円まで8.11円下落したものの、8月には147.64円まで切り返した。しかし、ロシアのテクニカル・デフォルト(債務不履行)を受けたルーブル切り下げで、ロングタームキャピタルマネジメント(LTCM)が経営破綻に陥り、米連邦準備理事会(FRB)が緊急利下げを断行したことで、ドル円は1999年に101.25円まで下落していった。
 すなわち、ドルの下落にはFRBの利下げが必要であり、現状のような利上げが示唆される状況では日米協調円買い介入の効果は限定的なのかもしれない。


(山下)
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