東京為替見通し=ドル円、「日米通貨同盟」の防衛ラインを見極める展開か

 6日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、WTI原油先物価格がホルムズ海峡の航行正常化期待が後退して1バレル=78.33ドル前後まで上昇し、米長期金利もつれ高となったこと、ウォーシュFRB議長のタカ派発言で158.55円まで上値を広げた。ユーロドルは原油先物相場の上昇を受けて1.1515ドルまで下落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、攻防の分岐点である200日移動平均線を超えてきていることで、「日米通貨同盟」の防衛ラインを探りつつ、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入の可能性に警戒していく展開が予想される。

 ドル円は、不透明なイラン情勢やFT紙が報じたウォーシュFRB議長発言「今後数週間に公表されるインフレ指標が強い内容となり、市場で利上げ観測が強まれば、政策金利を引き上げる用意がある」を受けて200日移動平均線(158.08円)を超えてきている。

 今回の日米協調円買い介入を主導してきたベッセント米財務長官は、ジョージ・ソロス氏のソロス・ファンド・マネジメントで、スタンレー・ドラッケンミラー氏の指揮の下、1992年9月のポンド危機で、イングランド銀行に勝った人物である。おそらく、歴代の米財務長官の中で、最も為替相場に精通していると思われ、200日移動平均線の重要性を熟知しているはずであり、円買い介入の可能性は高いと思われるため警戒しておきたい。

 今夜発表される米7月雇用統計の予想は、失業率は4.2%で6月と変わらず、非農業部門雇用者数は前月比+8.0万人で、6月の前月比+5.7万人からの増加が見込まれている。
 もし、良好な雇用情勢が発表され、ドル円が日足一目均衡表・雲の下限158.94円を上抜けていく局面があれば、単独、あるいは日米協調による円買い介入が行われる可能性が高まると思われる。
 一方、7月中旬に終了したワールドカップの影響などで非農業部門雇用者数が予想を大幅に下回った場合は、ゴールデンウィークの単独ドル売り・円買い介入と今回の日米協調の円買い介入でも割れなかった155円を試す可能性が高まることになる。

 なお、本邦通貨当局によるドル売り・円買い介入は4月30日、5月1日、6日の3営業日、直近の7月30日、31日、そして8月3日の3営業日に行われたと思われる。すなわち両期間ともに国際通貨基金(IMF)の「3営業日ルール」を順守したものだと想定されている。三村財務官はかつて「IMFの介入ルールは、回数を制限するものではない」と述べていいたが、IMFのルールを順守する意向ならば、円買い介入は、6カ月以内の10月までにあと1回しか行えないことになる。

 IMFは、2009年に為替制度を分類するための基準を示し、「自由変動相場制(Free Floating)」(6カ月以内に最大3回までの介入、3営業日連続で介入が実施された場合1回の介入)と「変動相場制(Floating)」を定義している。IMF が当該国の通貨制度を「自由変動相場制」と定義するための基準であり、この基準を逸脱すると「変動相場制」とされるにすぎず、罰則規定などはない。



(山下)
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