ロンドン為替見通し=ユーロ、原油相場と仏財政リスクに注視 ポンドは金利で難しい動きに

 9日のロンドン外国為替市場でユーロドルは、中東情勢を受けた原油相場とフランス国債の動向を注視しながらの取引か。ポンドドルは英長期金利の上昇が続くなか、方向感を探る展開になりそうだ。

 原油相場は8日のNY市場で一時5ドル超急騰したが、その後急速に伸び悩んだ。中東情勢の再緊迫化とハリケーン「イサイアス」の接近が重なって供給不安が再燃。しかし、トランプ米大統領が「中間選挙前にイランを攻撃することはない」と発言すると買いが後退した。ただ、イランはウラン濃縮活動の放棄を拒否しており、地政学リスクは消えていない。原油相場の振れが続く限り、ユーロドルも神経質に上下する場面があるだろう。

 仏国債への懸念も根強い。2日に一時4.99%台を記録した10年債利回りは今週に入り上昇が一服したものの、独仏スプレッドは130-140bpで高止まりしている。「大統領選で有力候補のルペン氏が退職年齢引き上げを明言しなければ、スプレッドは200bpに達する可能性がある」と警告するアナリストも出てきた。ECBのTPI(市場分断防止ツール)は仏が過剰赤字手続きの対象である限り適用できず、公的な救済網への期待は限られる。

 ポンドは長短金利を分けて見る必要がある。英10年債利回りは8日に一時5.52%台まで上昇し、2007年以来の高水準に達した。これは、今月28日の予算発表を前にした財政懸念が主因とみられる。そのため長期金利の上昇は必ずしもポンド買いにはつながらず、財政リスクを映した上昇なら逆に重しとなりやすい。

 一方、政策金利については、英中銀チーフ・エコノミストのピルMPC委員が「金融政策はインフレ圧力に断固として焦点を当てる必要がある」と言及。グリーン委員も「来年の賃金上昇率は懸念材料」と述べており、11月利上げ観測を支える内容だった。ただし、ベイリー総裁はインフレリスクが存在するとしながらも「エネルギーコストの広範な波及証拠は落ち着いている」として慎重姿勢を崩していない。長期金利の動きと短期の利上げ観測が混在するなか、ポンドの方向感は定まりにくい。


想定レンジ上限
・ユーロドル、日足一目均衡表・転換線の1.1271ドル
・ポンドドル、9月30日高値1.3311ドル

想定レンジ下限
・ユーロドル、10月5日安値(年初来安値)の1.1161ドル
・ポンドドル、10月1日安値1.3181ドル


(小針)
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