東京為替見通し=ドル円、「展望レポート」や植田日銀総裁会見に要注目か

 29日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ユーロドルの下落をきっかけに対円でもドル買いが強まり158.13円まで上昇した後、米長期金利の低下に伴う売りで157.64円付近まで下押しした。ユーロドルは独長期金利の低下を受けて1.1105ドルまで下落後、米長期金利の低下により1.1186ドルまで戻した。ユーロ円は176.41円まで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、日銀金融政策決定会合での政策金利据え置きはほぼ確実視されていることから、「展望レポート」や植田日銀総裁会見での今後の利上げ幅、ペース、ターミナルレート(政策金利の最終到達水準)への言及に注目したい。

 日銀金融政策決定会合では、政策金利である無担保コール翌日物金利の誘導目標(現行1.25%程度)が据え置かれることが見込まれている。注目ポイントは、基調的な物価上昇率について、2%の「物価安定の目標」に到達したと判断されるのか否か、そして「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」で来年度物価見通しが引き上げられるのか否か、となる。

 市場の予想では、2%の「物価安定の目標」に到達したとの判断が示され、「展望レポート」では2027年度を中心に物価見通しが小幅に引き上げられる公算が大きいと示されることになっている。すなわち日銀は、これまで高市政権による利上げ抑制を受けて「物価を目標値の2%まで引き上げる段階」としてきたが、今後は「物価を目標値の2%で安定させ、物価目標の達成を目指す段階」に移ったことを意味することで、12月会合での利上げ観測を高めることになる。

 さらに、日銀は利上げを継続することが見込まれており、12月に+0.25%(=1.50%)、来年3月に+0.25%(=1.75%)、6月に+0.25%(=2.00%)の追加利上げで、ターミナルレート(政策金利の最終到達水準)は中立金利水準(1.10-2.50%)の上限に近い2.00%程度が想定されている。また、ターミナルレートの代理指標として参照される「2年先1年金利」は、今後2年間で0.25%の利上げ4回で2.25%(1.25%+1.00%)を織り込む状況になっている。

 植田日銀総裁の会見では、2%目標の到達判断が示された場合、判断に至った経緯や、日銀が注視する「中東情勢」「人工知能(AI)関連需要の拡大」「為替相場の変動」の現状判断、市場のターミナルレート予想への見解などに注目しておきたい。植田日銀総裁は先日「基調物価が2%からこれ以上、上がることは容認できない」と述べていたが、日銀が先日発表した9月の基調物価「特殊要因除くコアCPI」は、前年比+3.2%となり、日銀が目標とする2%を24カ月連続で上回り、2023年10月以来の伸び率を記録していた。


(山下)
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