NY為替見通し=今週はイベント目白押しも、本日はドル円の方向感が出難いか

 今週のニューヨーク時間は、米金融政策の発表や重要な経済指標、主要ハイテク企業の決算などイベントが目白押し。ただ本日に関しては米2年債の入札のみであり、米金利や株式市場の動きを気にしながらもドル円は方向感が出難い展開が続いてしまうか。

 FF金利先物の動向をもとに米連邦公開市場委員会(FOMC)の金利変更の可能性を示すFedWatchは、今週0.75%利上げの織り込み度が8割近く。残りが依然として1%利上げを見込んでいる。この後は、弱い米指標が続く中で年末に向けて引き締めペースが緩み、来年半ばからは利下げという見方が広がりつつある。

 イエレン財務長官は景気後退(リセッション)の兆候は見られないとするものの、リセッションへの警戒感は根強い。アトランタ連銀の経済予測モデル「GDPNow」の4-6月期米GDP(前期比年率)は、-1.6%と依然として2四半期連続のマイナス成長を示している。

 問題は年末までの利上げで米インフレが抑制されるかだろう。米国のスタグフレーション懸念が高まるようであれば、さすがにドルは買いづらくなるだろう。そうなると日米金利差は拡大したままだとしても、今年進んだドル高・円安の調整が見られるかもしれない。

 なお欧州時間に入りロシア大統領府から「ノルドストリーム1経由で可能な限りのガスを供給する」との見解が示された。欧州の天然ガス供給ひっ迫への警戒感が後退し、為替ではユーロ買いが一時進んだ。ただオランダTTF天然ガス先物は下げ渋っている。買いが先行していたところから上値を切り下げたものの、依然として前日比ではプラス圏。ロシアへの不信感はまだまだ強いようだ。

 仏大手銀行のアナリストは「ユーロの今後はロシア産ガスの供給量に大きく依存する」と述べているように、今後もロシアの動向やそれを受けた天然ガス先物の値動きを見極める必要があるだろう。

想定レンジ上限
・ドル円とユーロドルは、それぞれの日足一目均衡表・基準線136.83円と1.0284ドルが目先の上値めど。

想定レンジ下限
・ドル円とユーロドルは、それぞれの本日安値135.89円と1.0179ドルが目先の下値めど。


(小針)
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