NYマーケットダイジェスト・22日 為替介入で円高・金利上昇・株続落

(22日終値)
ドル・円相場:1ドル=142.39円(前営業日比1.67円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=140.08円(▲1.71円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=0.9836ドル(▲0.0001ドル)
ダウ工業株30種平均:30076.68ドル(▲107.10ドル)
ナスダック総合株価指数:11066.80(▲153.39)
10年物米国債利回り:3.71%(△0.18%)
WTI原油先物11月限:1バレル=83.49ドル(△0.55ドル)
金先物12月限:1トロイオンス=1681.1ドル(△5.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
前週分の米新規失業保険申請件数   21.3万件    20.8万件・改
8月米景気先行指標総合指数(前月比) ▲0.3%    ▲0.5%・改

(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反落。日銀が大規模金融緩和の継続を決めたことで、日本時間夕刻に一時145.90円と1998年8月以来約24年ぶりの高値を付けたものの、政府・日銀による円買い介入をきっかけに急落した。NY市場序盤には一時140.36円まで値を下げた。
 ただ、米10年債利回りが3.7138%前後と2011年2月以来の高水準を更新すると円売り・ドル買いがじわりと強まり、142.50円付近まで下げ幅を縮めた。日米金融政策の方向性の違いから押し目買い意欲も旺盛だった。
 なお、岸田首相は訪問先のNYで会見し、「為替は安定的に推移することが重要」「1年で30円以上の円安は過去にない」と述べ、「為替の過度な変動には断固として必要な対応を取りたい」と強調した。
 また、米財務省は「日本が為替市場への介入を実施したことを確認」「このところ高まっている円のボラティリティーを下げることを目的とした行動だったと理解している」として、容認する姿勢を示した。協調介入については否定した。

・ユーロドルはほぼ横ばい。米金利の上昇を手掛かりにユーロ売り・ドル買いが先行。9月ユーロ圏消費者信頼感指数速報値が▲28.8と予想の▲25.8を下回り過去最低を記録したことも相場の重しとなり、一時0.9812ドル付近まで下押しした。市場では「ウクライナ情勢を巡り、ロシアが一段の強硬姿勢を取るとの警戒感もユーロの重し」との指摘があった。
 ただ、アジア時間に付けた日通し安値0.9809ドルが目先サポートとして働くと0.9852ドル付近まで持ち直した。

・ユーロ円は4日続落。日本時間夕刻に一時143.70円と本日高値を付けたものの、政府・日銀による円買い介入をきっかけに急落した。22時前には一時138.71円と本日安値を付けた。売り一巡後は140.24円付近まで下げ渋った。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続落し、6月17日以来約3カ月ぶりの安値となった。米連邦準備理事会(FRB)の大幅利上げが続くとの観測を背景に、米長期金利が約11年ぶりの高水準を記録すると株売りが先行。指数は一時180ドル超下落し、節目の3万ドルを下回った。ただ、足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いが入ると、上げに転じる場面があった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日続落し、6月30日以来の安値で取引を終えた。

・米国債券相場で長期ゾーンは大幅に反落。FRBの大幅利上げが続くとの観測を背景に、この日も売りが続いた。市場では日本の円買い・ドル売り介入について「保有する米国債を売っているのではないか」との懸念もあったという。利回りは一時3.7138%前後と2011年2月以来の高水準を付けた。
 米金融政策の影響を受けやすい米2年債利回りは一時4.1587%前後と07年10月以来の高水準を付けた。

・原油先物相場は3日ぶりに反発。一部通信社が、中国では10月にも複数の製油所で生産量の拡大が見込まれていると報じた。経済規模では世界第2位の国の需要拡大が好感され、一時86ドル付近まで大きく値を上げた。もっともその後、米金利が上昇幅を伸ばすと景気減速への警戒感が再び高まり、原油先物は急速に上値を切り下げた。

・金先物相場は続伸。序盤から買いが強まり1690ドル台まで上昇した。プーチン露大統領は親ロシア派武装勢力が占領するウクライナの4地域を併合する方針だが、西側諸国は当然ながら強く反対。地政学リスクの高まりが安全資産とされる金の買いを促した。ただ一巡後はプラス圏を維持しながらも、伸び悩む展開となった。米・中長期金利が上昇基調を強め、金利を生じない金の重しとなった。

(中村)
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