株式明日の戦略-週間では4桁の下落、来週は米雇用統計や安川決算を前に様子見か

 30日の日経平均は大幅反落。終値は484円安の25937円。長期金利が上昇して米国株が大きく売られた流れを受けて、寄り付きから3桁の下落。安く始まった後も下値模索が続いた。26100円や26000円など、ところどころで下げ渋る動きは見られた。しかし、下げ止まってもほとんど値を戻すことがなかったことから、主力大型株を中心に売り圧力が強まった。26000円を割り込んで前場を終えると後場は一段安となり、一時は下げ幅を600円超に拡大。25800円台でようやく売り一巡感が出てきて終盤にはやや下げ幅を縮めたが、26000円を下回って取引を終えた。終値での26000円割れは7月1日以来、約3カ月ぶりとなる。

 東証プライムの売買代金は概算で3兆8500億円。業種別では不動産と医薬品の2業種のみが上昇しており、水産・農林が小幅な下落。一方、輸送用機器、ゴム製品、電気機器などが大幅安となった。新生銀行<8303.T>が後場急騰。日経新聞電子版で、SBIHDの傘下企業が同社の出資比率を引き上げる目的で銀行持ち株会社の認可を金融庁に申請したと報じられたことが買い材料となった。半面、指数が値幅を伴った下げとなる中、ファーストリテイリング<9983.T>が3%を超える下落となった。

 東証1部の騰落銘柄数は値上がり248/値下がり1551。日本株はお手上げの1日で、主力どころはほぼ全滅。ナスダック安や米マイクロンのさえない決算を受けて、レーザーテック、東京エレクトロン、ディスコなど半導体株の下げが大きかった。日本電産やロームなどハイテク株も大幅安。三菱自、SUBARU、マツダなど自動車株が軒並み急落しており、デンソー、武蔵精密、トヨタ紡織など部品株の下げも大きかった。米ナイキの弱い決算からの連想でアシックスが10.7%安。今週上場したグラッドキューブやプログリットが急落した。

 一方、韓国子会社の上場で売り出尽くし感が出てきたダブルスコープが、下を試した後にプラス転換。3日ぶりに取引時間中に値が付いたエーザイが、かなり上値は抑えられたもののプラスで終えた。証券会社が投資判断を引き上げたキユーピーが大幅上昇。上期は減益着地であったが、株主還元強化が好感されたDCMHDが急伸した。

 本日グロースに新規上場したグッピーズは、高い初値をつけた後に上下に大きく振れたものの、終値は初値を上回った。2日目で初値をつけたポーターズは、終値が初値を下回った。

 日経平均は週間で4.5%の下落となった。これは今年に入って2番目に悪い成績となる。最も悪かったのは6月第3週(6/13~17)の6.7%安だが、この翌週には当面のボトムを打って反転し、7月から8月にかけては強い動きが見られた。また、今週で3週続落となったが、今年は年初の弱かった時でも4週続落までで、5週以上の連続下落はない。傾向からすれば陰の極に近いと言える。今週、業種別でパフォーマンスが良かったのは、医薬品、食料品、水産・農林などで、悪かったのは海運、鉱業、輸送用機器など。相場が反転するかを探る意味では、特に悪かった方の業種が持ち直してくるかに注目しておきたい。


【来週の見通し】
 不安定な展開か。10月相場に突入するが、東京市場は翌週の月曜10日が休場。金曜7日の引け後に安川電機の上期決算発表が予定されており、この日の米国では9月雇用統計が発表される。内容を精査したい材料が週末にあり、かつ三連休前ということで、様子見ムードの強い地合いを予想する。足元の米国株の弱さを鑑みると、買いは手控えられそうではある。ただ、日米株とも今週までにかなり下げており、一段安となった場合には、米雇用統計が反転材料になるとの期待も高まる。日経平均は6月安値に接近しており、この近辺ではリバウンド狙いの買いも入りやすい。一方、週前半から強い動きとなった場合には、後半にかけてはリスク回避の売りが上値を抑える可能性が高い。荒れ相場は続きそうだが、上でも下でも極端な動きが出てくれば、週の中で修正が入るとみる。大型株は手掛けづらいが、小売などの決算がいくつか出てくるほか、ノーベル賞の発表が続くことから、幕間つなぎ的に材料のある中小型株が物色されるだろう。
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